VDEC(東京大学) 第3世代SPICEシミュレータmSPICEを採用
2009/06/05
株式会社リキッド・デザイン・システムズ(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:遠山直也、以下LDS社)は米Fastrack Design社(本社:米カリフォルニア州サンホゼ市、社長兼CEO:Moazzem Hossain、以下米Fastrack社)が開発した65ナノ以下のプロセスに対応した大規模回路シミュレータ「mSPICE」(エムスパイス)が東京 大学大規模集積システム設計教育研究センター(センター長:浅田邦博教授 以下、VDEC以下、VDEC)に採用されたことを発表いたします。LDS社は米Fastrack社の国内代理店であり、本年3月より販売を開始しており ます。
VDECは1996年の設立以来、全国の国公私立大学と工業高等専門学校におけるVLSIの設計教育の高度化と充実を目的に活動し、国内外の優れた設計 ツールを選別、採択し、設計技術情報、チップ試作、設計セミナーを全国に向けて企画提供することで、優秀な技術者を数多く輩出しています。今回の採用によ り、mSPICEは研究や教育の場において幅広く利用されることになります。
これまで第1世代SPICEシミュレータでは、半導体特性を正確にシミュレーションする高精度である一方、大規模回路は収束が難しく、シミュレーション速 度は満足いくレベルではありませんでした。第2世代SPICEシミュレータでは、回路分割やモデル簡素化である程度の精度を犠牲にしてシミュレーション時 間の短縮が実現されました。
今後65ナノプロセス以下の大規模LSI検証では、100%のSPICE精度を保証し、かつ高速処理を実現する第3世代SPICEシミュレータが求められ ます。mSPICEは業界唯一の第3世代SPICEシミュレータであり、Two-Stage Newtonと呼ぶ新しいアルゴリズム(2件の関連特許取得)を適用し,データ縮退やモデル簡素化をせずに約10倍から1000倍の高性能を実現していま す。このTwo-Stage Newton技術はより大規模な回路検証でその高性能を発揮します。さらにSoC設計におけるSSO注1検証や3次元ICの検証も近く対応する予定で、 VDECにおけるVLSIの研究、開発では幅広くに利用されることが期待されています。
今回のmSPICE製品は、米Fastrack社がスポンサーとなり、LDS社を窓口としてVDECに提供されます。mSPICEツールの利用はVDEC の運営・管理のもと、VDECでのツールインストール後公開され、VDECの規定による非商業目的の開発において全国の国公私立大学と工業高等専門学校に よる利用が可能となります。
注1 SSO:Simultaneous Switching Output 同時スイッチング出力

東京大学 大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC)、
米Fastrack Design社の第3世代SPICEシミュレータmSPICEを採用
関係各者のコメント
東京大学大規模集積システム設計教育研究センター長 浅田邦博教授のコメント
VLSI設計におけるアナログ、ミックスシグナル検証は、設計データの大規模化と微細化にともない、大幅に時間がかかるようになっています。設計によって は1週間以上検証時間がかかるものもあり、VDECにおける研究開発のボトルネックになっております。今回採用したmSPICEは現在の検証環境を大幅に 改善できるものと期待しております。
米FASTRACK社 社長兼CEO Moazzem Hossainのコメント
米Fastrack社は主にハイエンドICの設計受託する企業で、検証のボトルネックとなるSPICEシミュレーションでの大規模回路対応、高性能化、高 精度化を解決するために、自ら全く新しいアルゴリズムを持ったSPICEシミュレータを開発しました。今回、VDECに採用されたことは弊社および米 Fastrack社にとって大変名誉なことです。
株式会社リキッド・デザイン・システムズについて
2008年6月に創業した半導体技術および半導体設計ソフトウエアのベンチャー企業です。3次元ICに関わる特許、ノウハウを有しており、設計から試作ま で一貫したサービス提供を目指しております。また、EDAビジネス分野では、米Fastrack社の他、3次元実装関連のツールを扱っていく予定です。
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