血圧測定から体調バランスを読み、施術方針のヒントにする

鍼灸院で五行ドクターをどのように使えるのか。

最近、このような問い合わせが増えています。

五行ドクターは、市販の血圧計で測定した最高血圧、最低血圧、脈拍を入力することで、健康得点、ストレス度、未病傾向、五行体調バランスを可視化するWEBアプリです。単に血圧を記録するのではなく、血圧・脈拍から血行動態を推定し、身体の状態を「見える化」する点に特徴があります。

この仕組みは、鍼灸院のように「患者の状態を丁寧に見立てる現場」と相性があります。

実際に横浜市内の鍼灸院では、施術前に患者の血圧を測定し、五行ドクターで体調バランスを確認したうえで、患者へのヒアリング内容と照らし合わせながら、施術の重点ポイントを検討しています。

鍼灸院で注目される五行ドクター|気の流れと体調バランスを科学的に確認|鍼灸院での五行ドクター活用の流れ

施術前に血圧を測り、五行バランスを見る

この鍼灸院では、施術前にまず血圧測定を行います。

測定するのは、最高血圧、最低血圧、脈拍です。患者は特別な検査機器を使う必要はなく、市販の血圧計で測定した数値を五行ドクターに入力します。

すると、五行ドクターの画面上に、健康得点、ストレス度、未病傾向、五行バランスが表示されます。

五行バランスでは、身体の状態を木・火・土・金・水の5つの要素として確認できます。これは東洋医学の考え方をそのまま感覚的に表示しているのではなく、血圧・脈拍から平均血圧、心拍周期、駆出時間、心拍出量などの血行動態指標を推定し、その結果をもとに五行バランスへ変換する仕組みです。

鍼灸院では、この結果を「診断」として使うのではありません。

あくまでも、患者の状態を把握するための補助情報として活用します。

たとえば、五行バランス上で特定の部類に偏りが見られた場合、施術師はその結果を患者へのヒアリングと照らし合わせます。

最近疲れが抜けにくいのか。

胃腸の不調感があるのか。

睡眠の質が落ちているのか。

ストレスを感じやすい状態なのか。

こうした聞き取りと、五行ドクターの可視化結果を合わせて見ることで、施術師は「どの身体の部類に負担が出ている可能性があるか」を整理しやすくなります。

問題がある部類のツボを重点的にほぐす

横浜市内の鍼灸院で行われている活用方法は、非常に実践的です。

施術前に五行ドクターで確認した五行バランスを参考にしながら、問題があると考えられる身体の部類に関連するツボを重点的にほぐしていきます。

ここで重要なのは、五行ドクターの結果だけで施術内容を決めているわけではない点です。

実際の現場では、患者の訴え、身体の硬さ、姿勢、生活習慣、睡眠状態、疲労感などを総合的に見ます。そのうえで、五行ドクターの表示を「身体の状態を整理するためのもう一つの視点」として使っています。

鍼灸や整体の現場では、施術師の経験や感覚が重要です。

しかし、患者にとっては「なぜ今日はこの部分を重点的に施術するのか」が分かりにくい場合があります。

五行ドクターで体調バランスを見える化すると、患者にも説明しやすくなります。

「今日はこの部類のバランスが乱れているように見えます」

「ヒアリングでも同じ傾向があるので、この部分を重点的に整えていきます」

このように、施術前の説明に客観的な入口を作ることができます。

患者にとっても、自分の体調を画面で確認できるため、施術への納得感が高まりやすくなります。

術後すぐに数値が大きく変わるとは限らない

この鍼灸院では、施術後にも血圧測定を行えば、術前術後の体調変化を確認できるのではないか、という検討も行われています。

ただし、実際の現場では、術後直後に五行ドクターの数値が大きく変化するとは限らないとのことです。

これは自然なことです。

血圧や脈拍は、自律神経、緊張、姿勢、測定環境、直前の会話、移動、睡眠、食事など、さまざまな影響を受けます。施術によって患者が楽になったとしても、その変化が測定直後の血圧・脈拍に必ず反映されるとは限りません。

そのため、五行ドクターを「施術直後の効果判定ツール」として使うよりも、施術前の状態把握や、日々の体調変化を継続的に見るツールとして使うほうが現実的です。

実際にこの鍼灸院でも、術後直後の数値変化は大きくない一方で、患者の身体回復は明らかに感じられるとのことです。

つまり、五行ドクターの価値は、単発の数値変化を見ることだけではありません。

施術前の見立てを助けること。

患者への説明を分かりやすくすること。

日々の体調バランスの変化を記録すること。

この3点に大きな意味があります。

なぜ五行ドクターで「気の流れ」の偏りを科学的に見える化できるのか

東洋医学では、身体の状態を「気・血・水」や「五臓六腑」のバランスとして捉えます。

一方で、現代の利用者にとっては、「気の流れ」と言われても、感覚的で分かりにくい部分があります。

五行ドクターの考え方は、この感覚的な世界を、血圧・脈拍という測定可能な数値から再構成する点にあります。

五行ドクターの背景には、1989年に始まった「脈診を科学する」という研究があります。ソニー脈診研究所では、熟練者の感覚に依存していた脈診を、測定可能な物理量として捉える研究が行われました。その後、MIラボを経て、株式会社リキッド・デザイン・システムズが技術を継承し、血圧・脈拍データから血行動態を推定し、五行バランスとして可視化する仕組みへ発展させました。

この技術は、脈診そのものを機械的に再現するものではありません。

熟練者が脈から読み取ろうとしていた身体情報を、血圧・脈拍・血行動態などの数値から推定し、体調バランスとして表示するものです。

具体的には、入力された最高血圧、最低血圧、脈拍から、平均血圧、心拍周期、駆出時間、心拍出量などを演算します。そのうえで、身体の循環状態を推定し、五行バランスとして表示します。

つまり、五行ドクターが見ているのは、単なる血圧の高い・低いではありません。

身体がどのような循環状態にあるのか。

心臓や血管の働きがどのような傾向を示しているのか。

その状態を、東洋医学の五行というフレームに置き換えて見える化しているのです。

これにより、鍼灸院では、患者の主観的な訴えと、血圧・脈拍から推定された体調バランスを合わせて確認できます。

鍼灸院での使い方は「見立ての補助」として有効

五行ドクターは医療診断を行うものではありません。

また、鍼灸の効果を数値で保証するものでもありません。

しかし、施術前に患者の状態を整理するための補助ツールとしては、有効に活用できます。

特に鍼灸院では、次のような使い方が考えられます。

施術前の血圧・脈拍測定による体調確認。

五行バランスを見ながら、患者の訴えをヒアリング。

偏りが見られる部類に関連するツボや部位を重点的に確認。

施術内容を患者に分かりやすく説明。

継続来院時に、日々の変化や傾向を確認。

このように使うことで、五行ドクターは施術師の経験を置き換えるものではなく、経験を補強するツールになります。

患者にとっても、自分の体調が画面で見えるため、施術を受ける意味を理解しやすくなります。

特に、未病段階の不調や、疲労感、ストレス、なんとなく調子が悪いといった状態は、通常の検査では説明しにくいことがあります。

五行ドクターは、こうした「数値化しにくい体調感」を、血圧測定という身近な方法から可視化する入口になります。

鍼灸院から地域の健康管理へ

今後は、鍼灸院での個別活用に加えて、Me-Naviとの連携により、より広い健康管理への展開も考えられます。

Me-Naviは、五行ドクターで入力された日々の健康データを、企業・施設・地域単位で集計し、健康傾向や要サポート者の把握に活用できるクラウドサービスです。

鍼灸院であれば、複数の患者の日々の測定傾向を継続的に把握し、体調変化が大きい人への声かけや、生活習慣の見直し提案につなげることができます。

さらに、企業、介護施設、自治体、地域団体と連携すれば、個人のセルフケアを、地域全体の健康支援へ広げることも可能です。

五行ドクターは、血圧測定を入口に一人ひとりの体調バランスを見える化します。

Me-Naviは、そのデータを複数人・組織単位で活用できる形に広げます。

鍼灸院での活用は、五行ドクターが単なる健康アプリではなく、現場の見立てや施術説明、継続的な健康支援に役立つ実践ツールであることを示す具体的な事例といえます。

関連URL

完全無料の未病を見える化するセルフチェックAPP
https://gogyou-doctor-prod.web.app/
※五行ドクターはセルフケア支援を目的としたアプリであり、医療機器ではありません。診断や治療が必要な場合は医師に相談してください。

月額500円からの健康経営クラウドMe-Navi(ミーナビ)公式サイト
https://liquiddesign.co.jp/technology-line/me-navi/

五行ドクターは、突然生まれたアプリではありません。
ソニー脈診研究所の研究を起点に、ソニー創業者 井深大、韓国の医師 白熙洙、そして五行アルゴリズムの発明者 高島充らの研究が、約35年かけて現在の仕組みへと発展してきました。
東洋医学の脈診を「測定と演算」で解析するという研究の流れをまとめた記事はこちらです。
脈診を科学する 五行ドクター開発の系譜
https://liquiddesign.co.jp/technology-line/gogyo-doctor/genealogy/

五行ドクターの背景にある技術や研究の歴史を知りたい方は、ぜひあわせてご覧ください。