
2025年の夏は、日本の夏平均気温が統計開始以降で最も高くなりました。気象庁は2026年の夏についても全国的に高温になる見通しを示しており、7月23日発表の1か月予報でも、関東甲信地方などで8月にかけて気温が高いと予想されています。赤ちゃんのいる家庭では、「冷房で体を冷やしすぎないか」と心配する一方、暑さを我慢させることも避けなければなりません。
この記事では、2026年8月の暑さを踏まえ、赤ちゃんのためのエアコンの使い方、室温・湿度・服装の考え方、SIDS(乳幼児突然死症候群)が夏と冬のどちらに多いのかを、最新の公的情報に基づいて整理します。
| 先に結論 赤ちゃんのいる部屋でエアコンを使って問題ありません。2026年のような暑い夏は、むしろ適切に使うことが重要です。 SIDSは、こども家庭庁の資料では12月以降の冬期に発症しやすい傾向が示されています。ただし、安全な睡眠環境は季節を問わず必要です。 設定温度だけで判断せず、赤ちゃんの寝床付近の実際の室温・湿度と、首や胸、背中の汗や熱さを確認して調整します。 |
赤ちゃんにエアコンは使っても大丈夫?

赤ちゃんは大人に比べて体温調節が未熟で、暑い環境の影響を受けやすいとされています。環境省も、こどもは熱中症になりやすいため、屋内ではエアコンなどを適切に使い、涼しい環境で過ごすよう呼びかけています。エアコンは赤ちゃんの体に悪いものではなく、使い方を整えることで、暑さや過度な発汗を避けるための重要な設備になります。
2026年の夏は「夜も冷房を我慢しない」
2026年は全国的に高温が予想されています。日中に熱がこもった部屋は、日が沈んでもすぐには涼しくなりません。就寝時に冷房を切ると室温が上がる住環境では、タイマーで一律に停止させるより、弱めの冷房や自動運転を継続し、寝床付近の温湿度を確認するほうが安全です。熱中症警戒アラートが出ている日は、節電だけを理由に使用を控えないようにしましょう。
設定温度ではなく、実際の室温を見る
冷房の設定温度と、赤ちゃんが寝ている場所の温度は同じとは限りません。窓からの日差し、部屋の広さ、ベビーベッドの高さ、エアコンの位置によって差が出ます。まずは室温26〜28度程度を調整の出発点にし、温湿度計を寝床の近くに置いて確認します。室温が下がらない場合は設定を下げ、冷えすぎる場合は上げるなど、実測値を優先してください。
湿度が高いと同じ室温でも暑く感じやすいため、50〜60%前後をひとつの目安にし、蒸し暑い日は除湿を併用します。数値だけでなく、赤ちゃんの首や胸、背中が汗ばんでいないか、触れて熱すぎないかも確認しましょう。
冷風を直接当てず、空気をゆるく循環させる
風向きは赤ちゃんの顔や体に直接当たらない方向にします。サーキュレーターや扇風機を使う場合も、赤ちゃんへ直風を当てず、壁や天井に向けて室内の空気をゆるく動かします。一般的な家庭用エアコンは換気をしないため、外気温が比較的低い時間帯に短時間の換気を行い、その後は再び室温を確認します。
SIDSは夏と冬どちらがSIDSが多い?

結論からいうと、SIDSは冬に多い傾向があります。こども家庭庁は、SIDSが12月以降の冬期に発症しやすい傾向があるとして、毎年11月を対策強化月間に定めています。最新の確定情報として掲載されている2024年には、55人の乳児がSIDSで亡くなり、乳児期の死亡原因の第3位でした。
ただし、「夏ならSIDSの心配は少ない」という意味ではありません。SIDSは原因が解明されておらず、エアコンの使用や特定の室温だけで防げる病気ではありません。また、SIDSは窒息や熱中症とは異なるものです。季節に関係なく、安全な寝かせ方と寝床を整えることが基本になります。
冬は暖めすぎ、夏は高温と脱水に注意
冬は暖房、厚着、重い掛け布団などが重なり、赤ちゃんが熱を逃がしにくくなることがあります。夏は高温多湿による熱中症や脱水に注意が必要です。どちらの季節も、赤ちゃんを「冷やさないこと」だけを優先せず、暑くしすぎないことが重要です。汗をかいている、胸や背中が熱い、顔が赤いといった様子があれば、室温や衣類を見直します。
夏に注意したい室温・湿度と安全な寝床

室温や湿度の調整だけでは、SIDSや睡眠中の窒息対策として十分ではありません。こども家庭庁が示す安全な睡眠環境と組み合わせることが大切です。
1歳になるまでは、眠り始めはあおむけに寝かせる
身体が沈み込まない、硬めで平坦な布団やマットレスを使う
寝床に枕、ぬいぐるみ、タオル、クッションなどを置かない
1歳になるまでは掛け布団を使わず、スリーパーや衣類、空調で調整する
大人用ベッドでの添い寝より、赤ちゃん専用の寝床を使う
赤ちゃんの周囲では喫煙しない
ベビーセンサーは安全な寝床の代わりにはならない
体動センサーや見守りモニターは、見守りを補助するための機器です。センサーを使っていても、あおむけ寝、硬く平坦な寝具、寝床に物を置かないことなどの基本は必要です。機器の対象年齢や設置方法を確認し、アラームが鳴った場合にすぐ対応できる環境で使用してください。
加湿しすぎにも注意する
冷房中に乾燥を感じる場合でも、夏は外気の湿度が高いことがあります。加湿器を常時使うのではなく、温湿度計で確認してから調整します。湿度が高いまま加湿すると、蒸し暑さやカビの原因になるため、夏は除湿が適している場合もあります。
冬場の暖房と赤ちゃんの快眠対策

SIDSが冬期に多い傾向を踏まえると、寒さを防ぐだけでなく、暖めすぎを避ける視点が必要です。冬の室温は20〜24度程度を調整の出発点にし、赤ちゃんの様子や住環境に合わせて調整します。暖房の風は直接当てず、頭を帽子や布団で覆わないようにします。
掛け布団より、着るもので調整する
掛け布団が顔にかかると、窒息につながるおそれがあります。1歳未満では掛け布団を避け、肌着、パジャマ、スリーパーなどで調整します。寝汗がある、胸や背中が熱い場合は、すでに暖めすぎている可能性があります。衣類を1枚減らすか、暖房を弱めてください。
季節に合わせた赤ちゃんの服装選び

夏は通気性と吸湿性のある薄手の衣類を基本にし、室内では帽子をかぶせません。冬も重ね着を増やしすぎず、室温とスリーパーで調整します。手足が少し冷たくても、胸や背中が温かく、汗をかいていなければ問題がないことがあります。手足だけで判断せず、体幹部を確認しましょう。
暑すぎるサインを見逃さない
首、胸、背中が汗ばんでいる、または熱い
顔が赤く、呼吸がいつもより速い
授乳量が減る、機嫌が悪い、ぐったりしている
おしっこの回数が明らかに減っている
ぐったりして反応が弱い、呼吸がおかしい、けいれんがあるなどの症状がある場合は、涼しい場所へ移動させ、迷わず救急要請を検討してください。体調や持病によって適切な環境は異なるため、心配がある場合は小児科や助産師に相談してください。
まとめ
2026年の夏は全国的に高温が見込まれており、赤ちゃんのいる家庭ではエアコンを適切に使うことが重要です。室温26〜28度は固定ルールではなく、調整を始めるための目安です。赤ちゃんの寝床付近の実際の温湿度と、汗や胸・背中の熱さを確認しながら調整してください。
SIDSは冬に多い傾向がありますが、季節にかかわらず安全な睡眠環境が必要です。あおむけ寝、硬く平坦な寝具、寝床に物を置かないこと、掛け布団を避けて衣類や空調で調整することを基本にしましょう。エアコンやベビーセンサーは、これらの基本を支える補助として正しく活用することが大切です。
参考資料
注意:本記事は一般的な情報をまとめたもので、個別の診断や治療に代わるものではありません。赤ちゃんの体調に異変がある場合や、早産・低出生体重・持病がある場合は、医師の指示を優先してください。

