SIDS(乳幼児突然死症候群)は、健康に見える赤ちゃんが突然亡くなってしまう原因不明の症状です。特に保育園や家庭での午睡中に起こるリスクが指摘されており、日常の中でできる小さな工夫が赤ちゃんの安全につながります。 本記事では、SIDSの基礎知識から、リスク軽減のポイント、保育園での対策事例、家庭でできる取り組みまでをわかりやすく解説します。園のマニュアル作成や保護者説明にも役立つ内容です。

SIDSとは?正しい理解から始めよう

SIDS(乳幼児突然死症候群)は、健康に見える赤ちゃんが眠っている間に突然亡くなってしまう、原因がはっきりわかっていない現象です。予兆がないため発見が遅れやすく、保育士や保護者にとっては正しい知識を持つことが最初の一歩です。

SIDS(乳幼児突然死症候群)の定義と特徴

SIDSとは、1歳未満の乳児が健康そうに見えていたにもかかわらず、突然亡くなり、解剖しても明確な原因が見つからないケースを指します。特に生後2〜6か月ごろに多く発生し、睡眠中の深夜や早朝に起こる傾向があります。予防が難しいからこそ、早めに知識を持ち、対策を考えておくことが大切です。

SIDS発生件数の年次推移

厚生労働省の「人口動態統計」参照

厚生労働省の「人口動態統計」によると、SIDSによる乳幼児の死亡数は、1997年の538人をピークに、年々減少傾向にあります。2020年に95人、2021年に81人、2022年に47人、2023年に48人と続いており、取り組みの効果は出ているものの、ゼロにはなっていない現状です。

季節や月齢による発生傾向

SIDSの発症は、特に生後2〜6か月の乳児に多く見られます。また、寒冷な冬季に発生率が高まる傾向があり、過度な保温や暖房器具の使用がリスク要因となる可能性があります。これらの傾向を踏まえ、季節や赤ちゃんの月齢に合わせた見守りが求められます。

なぜSIDSが起きるのか?主な要因

SIDS(乳幼児突然死症候群)の原因は完全には解明されていませんが、複数の要因が関与していると考えられています。特に、赤ちゃんの脳の呼吸や覚醒の制御に関する未熟性や、睡眠中の環境要因がリスクを高めるとされています。これらの要因が重なることで、SIDSの発症リスクが増加する可能性があります。

医学的に考えられているSIDSの原因

医学的な見解として、脳幹部の呼吸や心拍をコントロールする機能が未熟だと、呼吸停止から回復しにくくなる可能性があります。 また、遺伝や神経伝達物質の異常が関与しているという研究もあります。

リスクが高まるとされる環境や状況

SIDSのリスクを高める環境要因として、以下の点が挙げられます。

  • うつぶせ寝や柔らかい寝具の使用
  • 過度な暖房や厚着による過熱
  • 妊娠中や育児中の喫煙、受動喫煙
  • 早産や低出生体重
  • 母親の若年出産や適切な妊婦健診の欠如

これらの要因を避けることで、SIDSのリスクを低減することが可能です。

保育園でできるSIDS対策とは

保育園におけるSIDS(乳幼児突然死症候群)対策は、日々の午睡チェックや見守り体制の強化が中心となります。職員全員がSIDSのリスク要因を理解し、統一されたマニュアルに基づいて対応することで、予防効果が高まります。また、保護者への情報提供や連携も重要なポイントです。

午睡チェックと見守り体制のポイント

午睡中の赤ちゃんを定期的に観察し、呼吸や体の動き、寝姿勢を確認することが基本です。チェックリストを活用し、5〜10分ごとに記録を行うことで、異常の早期発見につながります。また、職員で交代で見守るなど体制を整えることで、事故リスクの軽減につながります。

SIDSを防ぐための園内マニュアル例

園内マニュアルには、SIDSの基本知識、午睡チェックの手順、緊急時の対応方法などを明記します。例えば、「赤ちゃんは仰向けで寝かせる」「柔らかい寝具やぬいぐるみは使用しない」「異常があった場合はすぐに医療機関に連絡する」などの具体的な指針を含めることで、誰が見ても行動が統一される内容を記載することが重要です。

家庭でできるSIDS予防の工夫

家庭でもSIDSのリスクを減らすための工夫が求められます。赤ちゃんの寝かせ方や寝具の選び方、生活習慣の見直しなど、日常の中でできる対策を実践することで、SIDSの発症リスクを低減することが可能です。

安全な寝かせ方と寝具の選び方

赤ちゃんは仰向けで寝かせることが推奨されています。柔らかいマットレスや枕、ぬいぐるみなどは窒息のリスクがあるため、使用を避けましょう。また、掛け布団の代わりにスリーパーを使用することで、赤ちゃんの体温調節を安全に行うことができます。

保護者が知っておきたい生活習慣の注意点

喫煙はSIDSのリスクを高める要因とされています。妊娠中や育児中の喫煙、受動喫煙を避けることが重要です。また、母乳育児はSIDSの発症リスクを低下させるとされており、可能な限り母乳での育児を心がけましょう。さらに、赤ちゃんを過度に暖めすぎないよう、室温や服装にも注意が必要です。

ICTや機器によるSIDS対策の可能性

ICT(情報通信技術)を使った高性能なベビーセンサーを使うことで、赤ちゃんの呼吸や体動をリアルタイムで見守ることができ、異変にすばやく気づける手段として注目されています。これらの技術は、赤ちゃんの睡眠中の状態をリアルタイムで監視し、異常があれば即座に通知することで、保育士や保護者の負担を軽減し、迅速な対応を可能にします。

午睡センサー・体動モニターの活用方法

午睡センサーや体動モニターは、赤ちゃんの呼吸や体の動きを感知し、異常があればアラームで知らせる機器です。これにより、保育士や保護者は赤ちゃんの状態を常に把握することができ、SIDSの早期発見や予防につながります。導入にあたっては、機器の精度や使いやすさを確認し、適切な製品を選ぶことが重要です。

ICT導入による保育の安全性向上とは

ICTの導入により、赤ちゃんの睡眠中のデータをクラウド上で管理し、保育士や保護者がスマートフォンやタブレットでリアルタイムに確認できるようになります。これにより、異常の早期発見が可能となり、保育の安全性が向上します。また、データの蓄積により、赤ちゃんの睡眠パターンの分析や、保育の質の向上にも寄与します。

まとめ

SIDSは予防が難しいからこそ、「小さな配慮の積み重ね」が大切です。保育士も保護者も正しい知識を持ち、日々の寝かせ方や見守り体制を見直すことで、リスクは確実に減らせます。この記事で紹介した工夫や対策を、明日からの実践にぜひ役立ててください。

ベビーセンサーIBUKIによるやさしい見守りサポート

赤ちゃんの呼吸や動きの変化に気づきやすくするために、当社の体動センサー「IBUKI」は赤ちゃんのわずかな動きも感知できるモニタリング技術を搭載しています。保育園などでも導入が進んでおり、赤ちゃんの体動をリアルタイムで記録しながら、保育や育児中の見守りをサポートします。
スマートフォンと連携することで、赤ちゃんの状態の変化に気づくきっかけとしても活用できます。

また、体動データを通じて赤ちゃんの生活リズムを把握できるため、目を覚ましやすいタイミングの傾向も知ることができます。
その結果、夜間の育児負担を軽くしたいと考えるご家庭にとっても、頼れるサポートツールとして注目されています。
安心できる育児環境づくりの一環として、「IBUKI」のやさしい見守り機能を取り入れてみてはいかがでしょうか?

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