もし富士山が噴火したら――。
内閣府が公開したシミュレーション動画(火山防災の日:内閣府サイト)は、想像を超える現実を突きつけています。
映像では、噴石や溶岩流が町を飲み込み、火山灰が屋根に積もって家屋を倒壊させ、交通麻痺や停電、断水が連鎖的に広がっていく様子が再現されています。
「屋根に30センチ以上火山灰が積もると、降雨時に木造家屋が倒壊するおそれがあります」という警告が流れるたびに、私たちは自然の力の前にどれほど無力であるかを痛感します。しかし、こうした災害は突然起こるものではありません。
地殻の奥深くでは、破壊核形成信号――いわば“地震の胎動”とも呼べる微細な兆候が、確実に記録されています。
そして今月、その「兆候」と「結果」が見事に一致しました。

仙台・埼玉の前兆波が示した10月下旬の地震
2025年10月17日、仙台市と埼玉県南部(鈴谷)の観測点で、ほぼ同時刻に特徴的な前兆波(破壊核形成信号)が記録されました。この観測は、特許技術「高島式地震予知技術」(特許第6995381号)によるものです。建物全体を共振体として利用し、地面から伝わる微弱な振動を1000倍以上に増幅。通常では捉えられない地殻変動を“音の波形”として可視化します。観測データは以下の通りです。
<仙台観測点>
- 観測日時:10月17日 14時21分
- 持続時間:58秒
- 周波数:12.6Hz/9.4Hz
- 最大振幅:26mVp-p
- 地震発生予想:10月25日±5日
- 規模予測:M3〜4(震度1未満)
このときの信号は、太平洋プレートの応力変化による「破壊核形成信号」と判断され、発生確率は約80%と推定されました。
<埼玉県南部・鈴谷観測点>
- 観測日時:10月17日 15時44分
- 持続時間:45秒
- 周波数:12.0Hz/10.3Hz
- 最大振幅:42mVp-p
- 地震発生予想:10月25日±5日
- 規模予測:M3〜4(震度1程度)
仙台と鈴谷の両地点で周波数帯が一致しており、プレート境界をまたいで地殻応力が伝播している可能性が示唆されました。
結果:予測どおり、仙台・埼玉の両方で的中
予想からおよそ1週間後――。
10月21日、宮城県沖でM3.8の地震が発生。震源は仙台から約80km、想定震度は1未満。さらに10月24日、千葉県北西部でM4.0の地震が発生しました。震源深さ70km、鈴谷からの距離は43km。いずれも10月25日±5日の予測範囲内であり、規模もM3〜4と完全に一致しました。
特に千葉県北西部の地震は、鈴谷観測点で検出された「45秒間の前兆波」が示した通りのタイミング・震源距離・規模を持っており、高島式地震推定技術による“的中”事例なりました。

高島式地震推定技術とは何か
この技術の要は、「破壊核形成信号」の検出にあります。
地震は一瞬で起きるように見えますが、実際にはプレートの境界で微細な破壊核(マイクロクラック)が連鎖的に成長し、最終的に断層破壊へと至ります。その初期段階で発生する微弱な振動を、建物の共振を利用して音響的に増幅・観測するのが高島式の特徴です。
観測データからは、プレートの種類によって地震までの期間が異なることが知られています。
- 太平洋プレート由来:信号検出後15日以内に地震発生
- フィリピン海プレート由来:信号検出後45日以内に地震発生
今回の仙台(太平洋プレート)と埼玉県鈴谷(フィリピン海プレート)は、まさにこの理論に合致する事例といえます。
科学的観測が示す「都市防災」の現実
富士山噴火のシミュレーションが描いたのは、自然の脅威そのものよりも、都市機能が脆く崩れる姿でした。交通が止まり、物流が滞り、通信が不安定になる――それは、災害が首都圏の生活基盤を直接揺るがす可能性を示しています。
この映像が教えるのは、「被災地の外」にいても影響を受けるという事実です。職場で交通網が麻痺すれば帰宅が難しくなり、ライフラインの停止が長引けば日常の維持も困難になります。私たち一人ひとりが、こうした状況を想定した行動計画を持つことが求められています。
地震の前兆波観測は、恐怖を喚起するためではなく、科学的根拠に基づいて備えの判断材料を提供するものです。高島式地震推定技術がとらえる数十秒の前兆波は、行動を見直すための小さな手がかりといえます。その短い時間の中で、避難経路や家族との連絡手段を確認しておくことが、現実的な防災につながります。
災害を完全に予測することはできません。しかし、科学が示す兆候を理解し、自分にできる備えを重ねていくことは可能です。富士山の噴火映像と地震前兆の観測データは、「備えるとは何か」を改めて考える契機として捉えたいところです。
結語:前兆波の一つひとつが“未来への警鐘”
自然災害を完全に防ぐことはできません。
しかし、その前に現れる「ささやき」を聞き取ることはできます。高島式地震推定技術が捉えた前兆波は、単なるデータではなく、未来の命を守る警鐘です。富士山噴火の映像が“視覚で伝える防災”なら、前兆波は“音で伝える防災”。いずれも、備えることの大切さを静かに教えてくれます。
両者に共通するのは、備えこそが最善の防災という点です。
【関連リンク】
◎ 高島式地震予知の解説記事一覧:https://liquiddesign.co.jp/category/blog/earthquake/
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