■2025年8月2日〜9日の観測結果:前兆波は“発生せず”
カムチャツカ半島の地震はまだ記憶に新しいですが、2025年8月2日から9日までの1週間、埼玉県南部・鈴谷に設置された高感度地震観測装置は、前兆波(破壊核形成信号)を一切検出しませんでした。
観測装置が記録した微動はいずれも環境ノイズや生活起因の微振動であり、地震の発生を示す特異なパターンは認められません。
「前兆波が見られない」という事実は、地震の発生を完全に否定するものではありません。しかし、破壊核形成に伴う微細な破砕音が観測されていないということは、少なくとも観測範囲内において、直近での地震発生を示す兆候が存在していないことを意味します。この“静けさ”もまた、科学的観測データとして極めて重要です。

■2025年8月9日〜13日の観測結果:こちらも“未検出”
続く8月9日から13日までの期間についても、同観測地点で前兆波は観測されませんでした。
この2週間、埼玉県南部鈴谷のデータは一貫して安定しており、観測システムが捉えた波形はいずれも自然ノイズに分類されるものでした。
地震発生の初期段階で必ず生じるとされる「破壊核形成信号」が見られなかったことは、当該地域周辺において直近で地震が起こる危険性は低いと判断できます。とはいえ、「前兆がない=絶対に地震は起こらない」という意味ではなく、自然災害に絶対は存在しないことを改めて強調しておく必要があります。
■前兆波観測の理論的背景──京大・行竹英雄教授の学説
高島式地震予知の基盤は、京都大学・行竹英雄教授による1992年の論文「震源域におけるクラックの発生に伴う破壊の核形成」にあります。
この学説では、地震は岩石内部に形成される「破壊核」が瞬時に崩壊することで発生することが示されています。そして、この破壊核形成の過程で、微細な破砕に伴う低周波振動=前兆波が地表に伝わることが理論的に説明されています。
高島式の観測手法は、この破壊核形成信号を家庭内の観測室で捉える点に特徴があります。観測室自体を共振空間として設計し、地中から伝わる微細な振動を1000倍以上に増幅して捉える構造は、アコースティック楽器の共鳴原理に近いものです。
■他の地震予測技術との違い
これまでの地震予知研究は、GPSによる地殻変動観測や電離層の反射変化、ラドン濃度や動物の異常行動の解析など、多岐にわたります。しかし、それらは「数年以内に地震が起こるかもしれない」という統計的・長期的な傾向把握にとどまります。
一方、高島式地震予知は、地震の直前に必ず発生する物理現象=前兆波を直接観測する手法です。
過去の実証では、太平洋プレート型では前兆波から15日以内、フィリピン海プレート型では45日以内に必ず地震が発生するという結果が得られています。
つまり、統計ではなく因果関係に基づいた「確定的観測」に立脚しているのです。
■観測体制と対象範囲
現在、観測装置は埼玉県南部と富山県の2拠点に設置されています。観測範囲は最大半径400kmに及び、首都圏直下地震や南関東・東海地震、さらには茨城沖〜房総沖の日本海溝内地震も対象としています。
さらに仙台にも7月末から新拠点が設けられました。
日本海溝外側のアウターライズ地震(3.11型の大津波地震)にも対応できると期待されています。
■「静かな観測結果」が持つ意味
今回の8月2日〜13日にかけての2週間は、いずれも前兆波が検出されず、観測データは“静寂”を示しました。
しかし、この静けさこそ、観測精度が高いことを示す証拠でもあります。前兆波がなければ「異常はなし」と正確に示し、波形が現れたときには「確実な兆候」として即座に伝える──この二面性が高島式地震予知の強みです。
自然災害に絶対はありません。だからこそ、日常的に観測データを積み重ね、その変化を追うことが重要です。
■終わりに──日常に根ざす「科学的な備え」
SNSやネット上には、いまだ「○月○日に大地震が起きる」といった予言めいた情報が飛び交います。
しかし、科学的に検証されない情報に左右されることは、防災の本質から外れてしまいます。
私たちが拠り所とするのは、あくまで「実測データ」であり、「今どのような波形が観測されているか」です。
今回の観測では異常はなく、直近の危険性は低いと考えられます。とはいえ、家具の固定、避難経路の確認、非常持ち出し袋の準備など、日常の備えを怠るべきではありません。
次に前兆波が現れたとき、そのサインをどう受け止め、どう行動につなげるかが命を守る分かれ道になります。
高島式地震予知は、今後も観測を続け、異常が検出された際には迅速に情報を発信していきます。
【関連リンク】
👉 高島式地震予知の解説記事一覧:https://liquiddesign.co.jp/category/blog/earthquake/
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