離床センサーは、介護・看護の現場で「転倒予防」や「見守り支援」のツールとして広く注目されています。高齢者のベッドからの離床や体動を検知し、スタッフがすぐに気づけるようサポートすることで、人的リスクの軽減や夜間の安心につながります。この記事では、離床センサーの基本的な仕組みや種類、導入時のポイント、補助金制度などをわかりやすく解説。自施設や家庭に合った製品選びの参考にしてください。

離床センサーとは?基本の仕組みを解説

離床センサーとは、高齢者や要介護者がベッドから立ち上がろうとしたり、一定時間動きがない場合に、アラートや通知で周囲に知らせる機器の総称です。目的は「見守りの補助」であり、利用者の状態にいち早く気づくための支援ツールとして活用されています。病院や施設ではもちろん、在宅介護の現場でも導入が進んでおり、転倒や徘徊などのリスク対策として注目されています。

離床センサーが必要とされる背景

高齢者は夜間や早朝にベッドから急に立ち上がり、転倒につながるケースが多く見られます。さらに、介護職員の人手不足により、24時間の目視による見守りには限界があります。離床センサーは、そうした現場課題に対して“補助的に見守る”役割を担い、職員が利用者の動きを把握しやすくすることで、転倒事故や徘徊への早期対応に貢献します。
65 歳以上の家庭における「転倒・転落・墜落」による死亡者数の推移2

※厚生労働省の調査による

基本的な動作の仕組みと設置方法

離床センサーは主に、ベッド上の体動・荷重・赤外線などを検知することで動作します。多くの機器は「一定の動きがあったとき」または「一定時間動きがなかったとき」に通知する仕組みを採用。設置方法は、マットの下に敷く非接触型、赤外線型なら壁際に設置するだけなど、比較的簡単で配線も最小限で済むタイプが増えています。これにより、日常業務の流れを大きく妨げずに運用が可能です。

介護log Medの仕組みと精度は?

「介護log Med(カイゴログメド)」は、ベッドマットの下に設置する非接触型の高性能体動センサーです。利用者の呼吸や体動の有無などを目安として、利用者の状態変化の兆候を把握する仕組みが特長です。これにより、夜間の見守りや離床の兆候を補助的に把握し、職員や家族が必要なタイミングで行動できる環境をサポートします。

高度なセンシング技術による正確な体動把握

介護log Medに搭載されているセンサーは、純国産技術により開発されたバイタルセンサーを採用。体動、呼吸、心拍、さらには就寝中の動きの変化や、一定の姿勢保持の傾向などを参考情報として記録可能です。新型コロナウイルス感染症の対応施設でも導入され、非接触で複数患者のバイタル変化をモニタリングできる体制が評価されました。

導入実績とクラウド連携の柔軟性

このセンサーは、これまでに介護施設で8,000台以上、保育施設向けにも5,000台以上の導入実績があります。専用のiPad端末とクラウド接続することで、リアルタイムの状態変化も遠隔から確認可能。現場での「気づき」を補助する見守りシステムとして、病院・介護施設・在宅など多様な環境で活用が進んでいます。

看護・介護の現場での活用例

離床センサーは、介護施設や病院、在宅介護などさまざまな環境で活用されています。特に夜間や少人数体制の時間帯において、職員がすべての利用者を目視で見守るのは困難です。**離床センサーは、こうした現場において“気づきの補助ツール”として役立ち、転倒や徘徊の早期発見につながります。**利用者の安心感と職員の負担軽減の両方を支える、介護支援技術のひとつです。

夜間の転倒防止や徘徊対応に活躍

夜間の介護現場は、スタッフの人数が限られるうえ、利用者の行動変化が起こりやすい時間帯でもあります。マット型センサーは、利用者がベッドから起き上がる動きを検知し、事前に通知することで**「「転倒につながる行動の兆候に早く気づけるよう支援する」補助的な役割**を果たします。また、徘徊の兆候が見られる高齢者にも対応できるため、特養・老健・グループホームなどさまざまな施設で採用が広がっています。

施設・病院・在宅それぞれの導入事例

たとえば、「介護log Med」は現在、介護施設に8,000台以上、保育施設にも5,000台以上導入されており、全国的に活用が広がっています。病院では感染対策として非接触型での呼吸モニタリングを活用する事例もあり、在宅介護ではご家族がiPad等で遠隔確認できる点が評価されています。導入形態に柔軟性があるセンサーほど、施設規模や運営方針に応じて最適な運用が可能になります。

導入時に確認したい補助金制度

離床センサーをはじめとする介護支援機器の導入には、自治体や国による補助金制度が活用できる場合があります。特に、厚生労働省が推進する「介護ロボット導入支援事業」や「ICT導入支援事業」は、一定条件を満たすことで機器購入費の一部〜全額が補助されることもあります。初期費用に不安を感じる事業者にとって、これらの制度は強力な後押しとなります。

介護ロボット導入支援など公的制度

介護ロボット・見守り機器の導入支援は、都道府県や市区町村単位で実施されています。離床センサーは、「移乗支援」「見守り支援」に該当する機器として認定されることが多く、補助対象として採択されやすいジャンルです。例えば、2023年度の国の事業では、1台あたり最大90%の補助が出た実績もあります。こうした情報は自治体の福祉課や介護ロボット相談窓口などで随時確認可能です。

補助金を活用する際の注意点

補助金を利用する際は、申請時期・必要書類・補助対象となる機器の条件などを事前にしっかり確認しておくことが重要です。特に「申請前に購入してしまうと対象外になる」ケースもあるため、事前の相談・見積取得・書類準備が成功の鍵になります。また、申請サポートや説明会を開催しているメーカーや販売代理店もあるため、そうしたパートナーの活用もおすすめです。

離床センサーを選ぶ際のポイント

多くの製品が市場に出ている中で、自施設に最適な離床センサーを選ぶには、価格や機能だけでなく「運用しやすさ」や「サポート体制」などをトータルで評価することが重要です。導入しても活用されなければ意味がないため、実際に使用する現場の声を反映することも忘れてはなりません。

使用環境に合った種類の見極め方

施設のレイアウト、夜勤体制、利用者の特性などによって、適切なセンサーの種類は変わってきます。たとえば複数人部屋であればカメラよりマット型、転倒が多い利用者が多ければ赤外線型といった具合です。「どのような場面で、誰のために使うのか」を具体的に想定することで、より効果的な製品選定が可能になります。

操作性・サポート・コストの比較視点

製品によっては操作が複雑で、現場スタッフが使いこなせず形骸化してしまうこともあります。そのため、誰でも使いやすい設計や、日本語のマニュアル、導入後のサポート体制が充実しているかも要チェックです。また、初期費用だけでなく、維持管理コストや消耗品の有無なども含めて比較することで、長期的な導入効果を見込めるようになります。

まとめ

離床センサーは、介護・看護の現場において転倒や徘徊といった重大リスクの「気づき」を補助し、職員やご家族の負担を減らす心強いツールです。特に、非接触型で使いやすいマット型センサーや、クラウド連携可能な製品は導入ハードルも低く、多くの現場で活用が進んでいます。さらに、補助金制度を活用すればコスト負担を抑えて導入も可能です。 御社の運営する施設や事業に合ったセンサーを、ぜひ検討してみてください。介護log Medのように実績豊富でサポート体制の整った製品であれば、現場の声にもきっと応えられるはずです。