2025年4月、SNS上で「4月25日に大地震が起きる」という予言が拡散され、多くの人々が不安を感じました。しかし、私たちの高感度観測装置では、その期間に前兆波は一切検出されておらず、予言には科学的根拠がないことが明らかになっています。こうした中、5月14日に観測された“実際の前兆波”が、どのような地震につながったのかを本稿で報告します。

静寂の中に現れた明確な「波形」
2025年5月14日午前10時24分。
埼玉県南部に設置された高感度地震観測装置が、1つの明確な異常波形を記録しました。
以下は、その波形を記録した実際のグラフです。
この信号は以下のような特徴を持っていました:
- 継続時間:23秒
- 周波数成分:21.1Hz, 9.4Hz
- 最大振幅:25mVp-p
一般的なノイズとは異なり、安定した周波数成分を持ち、典型的な「破壊核形成信号」の特徴と一致していました。これは、高島式地震予知において“地震発生のごく初期段階”を示す重要な兆候です。

その翌日、地震は実際に起きた
観測からわずか16時間後となる2025年5月15日 午前2時06分、以下のような地震が発生しました:
- 震源地:茨城県南部
- マグニチュード:3.5
- 深さ:50km
- 最大震度:2
気象庁が発表した震度分布は次の通りです:

多くの観測点で震度1〜2を記録。これは、小規模ながらも明確に体感される地震です。
注目すべきは、観測された前兆波が、実際の地震と時間・規模・場所すべてにおいて一致していた点です。
科学に裏打ちされた「音で読む地震予知」
今回の観測に用いられたのは、「高島式地震予知」と呼ばれる特許技術(特許第6995381号)です。
この手法は、観測室の構造をアコースティック楽器のように共鳴装置として利用し、地中から伝わる微細な振動を1000倍以上に増幅することで、通常では捉えられない地震の兆候(破壊核形成信号)を記録します。
観測データからの予測精度は次のとおり:
- 太平洋プレート型地震:観測から15日以内
- フィリピン海プレート型地震:観測から45日以内
今回の茨城県南部の地震は、プレート境界の影響を受けやすいエリアであり、観測翌日に発生したことは、この時間軸予測と見事に一致しています。
■予知とは“予言”ではない——科学的観測の積み重ねである
前兆波を捉えたからといって、すべてが大地震に結びつくわけではありません。しかし、小さな異常を丁寧に拾い、確かな観測で裏付けることで、人の命を守る「兆し」を見逃さない技術が、現代の地震予知には求められています。
今後も、私たちはこの「1つひとつの前兆波」に真摯に向き合い、実証的な防災知見を社会に届けていきます。
【関連リンク】
- 高島式地震予知の他の記事はこちら https://liquiddesign.co.jp/category/blog/earthquake/
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https://www.mag2.com/m/0001698630