近年、日本列島では小規模地震が増加傾向にあり、研究者だけでなく一般の人々の間でも「地震の前兆を捉えることはできるのか?」という関心が高まっています。特に2025年12月には東日本を中心に震度1〜3の地震が複数観測され、前兆の有無に注目が集まりました。本記事では、高島式地震予知(破壊核形成信号の遠隔観測技術)の概要と、11月30日〜12月7日に観測された最新の前兆波解析結果を分かりやすく解説します。なお、これらの成果は2025年12月21日に開催される地震予知学会(Earthquake Prediction Society of Japan)にて、高島本人が学術発表を行う予定です。

高島式地震予知とは?

― 海底地震の前兆まで捉える世界唯一の観測法

高島式地震予知は、震源域で地震発生前に現れる「破壊核形成信号」に着目した新しい地震予知技術です。破壊核形成信号とは、地震直前に震源内部で発生する非常に微弱な振動であり、従来の地震計では捉えることが困難な現象です。

●特許技術に基づく増強観測(特許6995381号)

この手法の最大の特徴は、観測室の固有周波数を利用して地面から届く微弱な前兆信号を1000倍以上に増幅できる点にあります。仕組みは、楽器の胴が弦の振動を響かせるアコースティック原理に近く、他の観測方式では得られない高感度で前兆波を観測できます。

地震はどのように発生するのか?

近年の岩石破壊実験と行竹モデルの研究では、地震は次の過程で発生すると考えられています。

  1. 震源内部に「破壊核」と呼ばれる小規模な損傷領域が形成される
  2. 破壊核が数分〜数十分かけて四方へ団子状に拡大し、破壊核形成信号を断続的に放出する
  3. 限界に達した瞬間、破壊核全体が急激に破壊し、本震へ移行する

高島式観測法は、この 破壊核形成信号そのものを捉える世界で唯一の技術 として注目されています。観測された信号の大きさは、本震到達時のP波の強さを反映していると考えられる点も重要な知見です。

遠隔400km、海底地震でも前兆を検知

高島式では、マグニチュード(M)と震源深さ(D)によって前兆波の到達距離がほぼ決まります。

  • M7クラスの地震:最大400km先の前兆を捉える
  • 太平洋プレート:前兆検出後15日以内に発生しやすい
  • フィリピン海プレート:検出後45日以内が目安

従来の観測では「遠方の海底地震の前兆」を記録することは極めて困難でしたが、高島式ではこの課題を克服しており、遠隔観測性能は本技術の大きな成果と言えます。

観測点は東日本の3地点

前兆波の計測は次の3つの拠点で行われています。

〇富山県 入善

〇埼玉県 大宮(鈴谷)

〇宮城県 仙台

特に鈴谷観測点は年間の地震発生数が多く、固有共振9.7Hzが安定しているため、高精度な観測が可能です。

高い予測実績:4年間で390例、的中率95%

高島式地震予知は、4年間で390例の地震を事前に推定し、的中率は95% に達しています。これは地震予知領域では極めて高い成功率であり、研究的・実用的な価値が認められています。

12月上旬(11/30〜12/7)東日本の前兆波解析結果

ここからは、最新の観測期間における前兆波検出状況を整理します。

埼玉・鈴谷で2件の前兆波を観測

今回、鈴谷では以下の2つの明瞭な前兆波が観測されました。

1.12月1日 12:05

  • 持続:21秒
  • 周波数:18.3Hz
  • 最大振幅:30mVp-p
  • 発生日予測:12/8 ±5日
  • 予想規模:M3クラス
  • 想定震度:1程度

2. 12月2日 09:54

  • 持続:26秒
  • 周波数:13.5Hz / 10.7Hz
  • 最大振幅:39mVp-p
  • 発生日予測:12/9 ±5日
  • 予想規模:M3クラス
  • 想定震度:1程度

振幅39mVp-pは直下型M3〜4に対応する値であり、注意すべき強度です。

宮城・仙台でも前兆波を1件観測

3.12月2日 16:09

  • 持続:54秒
  • 周波数:11.6Hz / 9.4Hz
  • 最大振幅:40mVp-p
  • 発生日予測:12/10 ±5日
  • 震源:仙台から150km以内
  • 規模:M3〜4
  • 想定震度:1程度

その後、12月3日に宮城県沖 M4.1(深さ50km) が発生しており、前兆波との一致が確認されました。

今回の解析まとめ

  • 鈴谷で12/1・12/2に連続した前兆波 → M3前後の地震予兆
  • 仙台で観測された前兆波は翌日発生したM4.1と整合
  • 予測ウインドウ(±5日)が適切に機能
  • 小規模地震に対しても前兆波が出現することを確認

今回の観測結果は、破壊核形成信号が地震発生前に確かに現れること、そしてその信号を捉えることで地震発生時期や規模を推定できる可能性を改めて裏付ける内容となりました。

まとめ

高島式地震予知は、地震前の物理現象そのものを捉えようとする新しいアプローチであり、海底地震を含む幅広い震源の前兆を観測できる点が大きな特徴です。この記事で紹介した成果は、
2025年12月21日に地震予知学会の学術講演会にて、高島本人より正式に発表される予定です。

詳しくはこちら
https://www.eqpsj.jp/

【関連リンク】
◎ 高島式地震予知の解説記事一覧:https://liquiddesign.co.jp/category/blog/earthquake/
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