6月22日に鹿児島県十島村で震度4の地震が発生しました。残念ながら、高島式地震予知の観測装置は、富山県と埼玉県の2箇所のみで、フォッサマグナ以西では前兆波の検知が難しいため、今回の鹿児島県十島村の地震については、前兆波を捉えることができませんでした。従って、本記事で紹介する8つの前兆波はすべて関東近辺の地震発生報告となります。
地震が起きる前、地中の岩盤には強い力がかかり、やがて壊れます。その前に、じわじわと「壊れる音(振動)」が出るのです。この音を聞き分けられるのが、高島式地震予知技術です。当社のVitalセンサーを改良して、特許を取得した観測装置を使い、住宅や建物の中に届くこの小さな振動を1000倍以上に増幅してキャッチすることで、地震の“準備動作”をとらえています。
そして、経験上、前兆波が出たあとの【15日以内】(太平洋プレート型)や【45日以内】(フィリピン海プレート型)に、実際の地震が起こることが多いこともわかっています。ここでは、2025年3月〜6月に観測された前兆波と実際に発生した地震の対応関係を示し、それぞれについて簡潔に解説します。

それでは、ここ2か月間に観測された8件の前兆波について、それぞれどのような“サイン”が出て、どこで、いつ、どのような地震が発生したのかを具体的に解説します。
1.前兆波:2025年4月25日 16時45分 前兆波検出 Max22mvp-p
【解説】
この前兆波は、断層が形成されるごく初期に放出される微弱な弾性波(P波)です。
観測から10日後に発生した地震は、太平洋プレートの沈み込み帯に沿った典型的な事例であり、「15日以内に地震が起きる」という経験則と完全に一致しています。

●地震発生:2025年5月5日茨城県沖M4.2 D=40 L=140

2.前兆波:2025年5月7日 11時55分 前兆波検出 Max22mvp-p
【解説】
観測から6日後に地震が発生。このような1週間以内の発震例は、断層面がすでに脆弱化しており、少しの応力変化でも破壊につながる状態だったことを示しています。P波の振幅も中程度で、規模との対応性も妥当です。

●地震発生:2025年5月13日茨城県南部M3.5 D=70 L=43(鈴)

3.前兆波:2025年5月14日 10時24分 前兆波検出 Max25mvp-p
【解説】
このケースでは、わずか1日後に地震が発生。極めて短い間隔と非常に高い振幅から、断層が臨界状態に達していたと推測されます。これは“破壊核形成”が進行中だった証拠とみなせ、実験地震学でも報告されるパターンです。

●地震発生:2025年5月15日茨城県南部M3.5 D=50 L=43(鈴)

4.前兆波:2025年5月20日 10時22分 前兆波検出 Max39mvp-p
【解説】
振幅がやや大きめで、7日後に中規模地震が発生。前兆波の強度とタイミングは、地中での応力集中の進行を反映しており、連続P波観測と本震発生の典型的な“連動性”が見られた例です。

●地震発生:2025年5月27日茨城県沖M4.3 D=40 L=130(鈴)

5.前兆波:2025年5月21日 11時39分 前兆波検出 Max37mvp-p
【解説】
12日後に東京近郊で小規模地震。前兆波の振幅は小さいながらも明確に観測されており、都市直下型地震においてもP波が事前に捉えられることを示しています。深さ10kmと浅く、建物の共振周波数を活用した観測精度の有効性が証明された事例です。

●地震発生:2025年6月2日東京都多摩西部M2.6D=10 L=35(鈴)

6.前兆波:2025年5月29日 13時23分 前兆波検出 Max39mvp-p
【解説】
10日後に起きた地震は、プレート境界型に分類されるM3.8の中規模地震。前兆波の振幅と継続時間から見ても、破壊核の形成から地震発生までの「休止期(準備期間)」を含んだ予測モデルと整合性が高いケースです。

●地震発生:2025年6月8日茨城県北部M3.8 D=60 L=115(鈴)

7.前兆波:2025年6月4日 9時7分 前兆波検出 Max206mvp-p
【解説】
非常に高振幅の前兆波が観測され、9日後にM4.2の地震が発生。P波の強度が大きい場合、「震源が近い」または「マグニチュードが比較的大きい」地震が起こる傾向があり、本例はその両方に該当。地震予知の重要指標とされる“P波振幅”が有効に機能した事例です。

●地震発生:2025年6月13日千葉県北西部M4.2 D=80 L=48(鈴)

8.前兆波:2025年6月7日 14時33分 前兆波検出 Max88mvp-p
【解説】
12日後にM3.1の地震が発生。この前兆波は中程度の振幅でしたが、連続P波の明瞭な波形と震源地の位置が予測範囲に収まっており、「振幅と地震規模」の相関モデルに基づいた予測と整合します。

●地震発生:2025年6月19日茨城県南部M3.1 D=50 L=43(鈴)

まとめ
高島式の観測では、連続P波の「出現」「継続時間」「振幅」の3要素を重視しています。このデータを読み解くことで、地震の発生時期・規模・場所の傾向を、数日〜2週間前から推定することが可能になります。そのため、従来の「緊急地震速報」ではカバーできなかった数日~2週間前の“予兆レベルの備え”が可能です。これらの記録からわかるのは、地震は決して“突然”ではないということ。日々の備えに加え、「目に見えない異変」に気づく技術が、私たちの暮らしを静かに守っています。
【参考リンク】
▶ 高島式地震予知の詳細記事はこちら:https://liquiddesign.co.jp/category/blog/earthquake/
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