2026年7月から8月にかけて、世界各地でM7級の地震が続いています。

7月17日にはメキシコ南部沖でM7.3、8月10日にはコロンビア西部でM7.4、8月14日にはインドネシア・フローレス島付近でM7.7の地震が発生しました。米国地質調査所(USGS:United States Geological Survey)は、世界各地の地震を監視・解析し、震源やマグニチュードなどの情報を公開している米国政府の科学機関です。USGSの解析では、メキシコ地震は深さ約22km、コロンビア地震は約110km、インドネシア地震は約10kmで発生しており、同じM7級でも震源の深さや発生環境は異なります。

これだけ短期間に大地震が続くと、「世界的に地震が増えているのか」「次は日本なのか」という疑問が出てきます。しかし、短期間に大きな地震が集中しただけでは、地球全体の地震活動が異常に活発化したとは判断できません。

USGSの1900年頃からの長期記録では、世界では平均してM7クラスが年間約15回、M8以上が約1回発生しています。実際、2010年にはM7以上が23回あった一方、1989年は6回でした。2026年7~8月にM7級が続いたこと自体は、こうした年ごとの変動の範囲で起こり得る現象です。

また、今回のメキシコ、コロンビア、インドネシアの地震を、一連の地殻変動として結びつける科学的根拠も現時点では確認されていません。発生地域や震源の深さが異なるため、「近い時期にM7級が起きた」という事実だけでは、地震同士の因果関係を示すことはできません。

海外の大地震が日本の地震を誘発することはあるのか

海外の大地震が、遠く離れた地域にまったく影響しないわけではありません。

地震学では「動的誘発」と呼ばれる現象が知られています。大地震から伝わった強い地震波によって、もともとひずみが蓄積していた断層や火山・地熱地域などが刺激され、遠隔地で小規模な地震が発生する場合があります。USGSの研究では、このように誘発される遠隔地の地震の多くはM3以下の小さな地震とされています。

一方、「海外でM7級が起きたので、次に日本で大地震が起きる」という単純な関係は確認されていません。過去の大地震を調べた研究でも、遠隔地で小規模な地震が誘発される例はあるものの、本震から離れた地域で被害を伴う規模の大地震が日常的に誘発される証拠は確認されていません。

日本でも、海外で大地震が発生したことだけを理由に、南海トラフ地震の危険度を引き上げる仕組みにはなっていません。気象庁の「南海トラフ地震臨時情報」では、南海トラフの監視領域で速報的にM6.8以上の地震が発生した場合や、通常とは異なるゆっくりすべりが発生した可能性がある場合などに詳しい調査が始まります。海外の地震数ではなく、日本周辺で実際に観測された地震や地殻変動が判断材料になります。

今回は2週間分の前兆波を解析

先週は当社がお盆休みで1週間休業していたため、今回は2026年8月2日から17日まで、約2週間分の観測結果をまとめて報告します。

8月2日~9日の富山県東部観測点では、高島式地震予知が対象としている前兆信号は確認されませんでした。

一方、埼玉県南部の鈴谷観測点では、8月4日に約4時間半の間隔で2つの信号を観測しました。

・8月4日 11時17分
・8月4日 15時44分

高島式の波形解析では、周波数や波形の特徴から、この2つを同じ地震活動に関連する可能性がある一連の信号として解析しました。

・総持続時間:156秒
・周波数:12.2Hz、10.0Hz
・最大振幅:49mVp-p

この信号について、高島式地震予知では次のように判定しました。

・地震発生予想日:8月11日±5日
・高島式による判定値:80%
・震源範囲:鈴谷観測点から150km以内
・予想規模:M3~4
・鈴谷で想定する揺れ:震度1~2

ここで示す80%は、高島式独自の解析基準による判定値であり、気象庁など公的機関が公表する地震発生確率とは異なります。

8月8日の茨城県北部M3.9と対応か

予測期間中の地震を確認すると、8月8日3時41分に茨城県北部を震源とするM3.9の地震が発生しました。震源の深さは10km、最大震度は3でした。

高島式では8月4日の観測時点で、「8月11日±5日」「鈴谷から150km以内」「M3~4」と判定していました。社内計算では、茨城県北部の震源は鈴谷観測点から約146kmで、発生日、震源距離、マグニチュードはいずれも事前に設定した範囲に入りました。

このため、今回の検証では、8月4日に観測した信号が8月8日の茨城県北部M3.9地震に対応した可能性がある事例として記録します。

ただし、条件内で地震が発生したことだけで、観測した信号と地震との因果関係が証明されたわけではありません。一致した事例だけでなく、予測範囲内に地震が起きなかった事例や、規模・場所が外れた事例も同じ基準で記録する必要があります。

8月9日~17日は富山県東部で前兆波なし

8月9日~17日の富山県東部観測点では、高島式が大規模地震の判定対象としている信号は確認されませんでした。高島式の解析上は、この期間に首都圏直下型の大地震に対応すると想定する前兆信号は検出されなかった、という結果です。

ただし、信号が観測されなかったことは、「首都直下地震が発生しない」ことを保証するものではありません。観測点の位置や検出可能な範囲、機器の感度などにも制約があるため、「信号を観測しなかったこと」と「地震が起きないこと」は分けて考える必要があります。

一方、8月9日~17日の鈴谷観測点についてはデータが消失しており、この期間の波形を確認できませんでした。そのため、鈴谷については「前兆波なし」とは判定せず、解析不能期間として扱います。

今回の地震予知まとめ

今回の2週間の観測結果は次の通りです。

・8月4日、鈴谷観測点で2つの信号を観測
・高島式では8月11日±5日、150km以内、M3~4と判定
・8月8日、茨城県北部でM3.9、深さ10km、最大震度3の地震が発生
・富山県東部では対象となる信号を確認せず
・8月9日~17日の鈴谷観測点はデータ消失のため解析不能

7月から8月に世界でM7級地震が相次いだことと、日本の大地震との直接的な因果関係を示す証拠は現在ありません。一方、大地震の地震波によって遠隔地の小規模な地震が誘発される「動的誘発」は実際に確認されている現象です。

したがって、「海外の大地震は日本とまったく関係がない」と言い切ることも、「海外でM7級が続いたから日本でも巨大地震が起きる」と考えることも、現在の地震科学からは適切ではありません。

高島式地震予知についても、今回の茨城県北部M3.9のように判定条件内に入った事例だけでなく、外れた事例、信号が確認されなかった期間、データを取得できなかった期間を区別して記録し、実際の地震との照合を続けます。

参考記事

首都直下と南海トラフ巨大地震が切迫。日本の備えには何が足りないか?
https://www.mag2.com/p/news/490599

首都直下地震「被害想定額95兆円」に日本は耐えられるか?発生率70%の重大リスク
https://www.mag2.com/p/news/506550

関連リンク

高島式地震予知の解説記事一覧
https://liquiddesign.co.jp/category/blog/earthquake/

無料メルマガ「的中率90%の地震予知をあなたのスマホに」
https://www.mag2.com/m/0001698630

高島式地震予知に関するお問い合わせ
info@liquiddesign.co.jp