7月に入り、台風や大雨に関するニュースが連日報じられています。
強風や河川の増水、土砂災害への備えに意識が向きやすい時期ですが、その一方で、日本列島では6月から比較的大きな地震が続いています。
7月1日には岩手県沖でM6.0、宮崎県北部平野部でM5.1の地震が発生し、いずれも最大震度4を観測しました。さらに7月3日には宮古島北西沖でM6.4の地震が発生し、沖縄県で最大震度3を観測しています。
東北、九州、南西諸島と離れた地域で地震が続くと、「日本全体の地震活動が活発になっているのではないか」と感じる方もいるでしょう。
ただし、これらの地震がすべて一連の活動として直接つながっているとは限りません。
日本周辺では、太平洋プレートやフィリピン海プレートなど複数のプレートが複雑に重なり合っています。それぞれ異なる場所で力が蓄積され、解放されることで地震が発生するため、離れた地域で起きた地震を単純に一つの現象として考えることはできません。
それでも、6月から7月にかけてM5以上の地震が続いていることは事実です。この機会に、防災用品や避難経路などを改めて確認しておくことは決して無駄ではありません。
今回は、7月6日から12日までに鈴谷観測点で観測された前兆波をもとに、関東周辺の地震活動について整理します。

SNSで増える「7月の地震予知情報」に注意
7月に入り、インターネットやSNSでは地震予知に関する情報が再び目立つようになっています。
「○月○日に大地震が起きる」「○○地方が危ない」といった投稿や、過去に話題となった予言や占いを2026年7月の出来事として紹介する記事も少なくありません。
こうした情報を繰り返し目にすると、不安を感じる方も少なくないでしょう。
しかし、現在の地震科学では、地震の発生日、場所、規模を正確に予測する方法は確立されていません。
そのため、SNSで広がる予言や体感情報と、実際の観測機器から得られたデータは区別して考えることが大切です。
根拠が示されていない情報だけで判断するのではなく、気象庁など公的機関の発表や、実際の観測データを参考にしながら冷静に備えることが、防災につながります。
今月は鈴谷観測点のデータを中心に解析
高島式地震予知では、これまで仙台観測点と埼玉県南部の鈴谷観測点で、地震の前に現れる可能性がある微弱な振動を継続して観測してきました。
現在は仙台観測所が閉鎖されているため、今月の解析は埼玉県南部・鈴谷観測点で取得したデータが中心となります。
東北沖の地震活動を前兆波の観点から継続して追跡できないことは残念ですが、鈴谷観測点では7月6日から12日の間に、7月7日と11日の計3回、前兆波と考えられる波形が確認されました。
7月7日に61秒の前兆波を観測
最初の前兆波は、7月7日午後8時6分に観測されました。
観測データは次の通りです。
・持続時間:61秒
・周波数:13.8Hz、9.9Hz
・最大振幅:76mVp-p

解析では、
・地震発生予想日:7月14日±5日
・震源:鈴谷観測点から150km以内
・規模:M3~4クラス
・鈴谷周辺の揺れ:震度1~2程度
と推定しています。
これは大規模地震を示すものではなく、関東周辺で体に感じる程度の地震が発生する可能性を示す解析結果です。
今後、予測期間内に実際の地震が発生するかどうかを継続して確認していきます。
7月11日の2つの波は同じ地震に対応している可能性
7月11日には、午前10時11分と午前10時43分の2回、前兆波が観測されました。
1回目のデータは、
・持続時間:61秒
・周波数:12.7Hz、9.7Hz
・最大振幅:50mVp-p

2回目は、
・持続時間:46秒
・周波数:12.0Hz、9.6Hz
・最大振幅:59mVp-p
でした。

解析では、この2つの波形は同じ地震に対応している可能性がある前兆波と考えています。
持続時間を合計すると107秒となり、7月7日に観測された61秒よりも長い記録となりました。
解析結果では、
・地震発生予想日:7月18日±5日
・震源:鈴谷観測点から150km以内
・規模:M3~4クラス
・鈴谷周辺の揺れ:震度1~2程度
と推定しています。
持続時間が100秒を超えている点は注目されますが、この結果だけで大きな地震が発生すると判断しているわけではありません。
107秒という長さをどう見るか
前兆波は、持続時間だけで地震の規模を判断できるものではありません。
解析では、
・持続時間
・周波数
・振幅
・波形の特徴
・観測地点と震源との距離
など、複数の要素を組み合わせて総合的に評価しています。
今回の107秒という記録は比較的長い部類に入りますが、解析上はM3~4クラスを想定しています。
そのため、「長時間の前兆波が観測されたから大地震が起きる」と単純に考えるべきではありません。
今後、予測期間内にどの地域でどの程度の地震が発生するのかを確認し、観測結果との対応関係を検証していくことが重要です。
高島式地震予知では、予測と一致した事例だけでなく、規模や震度に誤差があった事例についても公開し、解析精度の向上に役立てています。
首都圏直下地震を示す前兆波は現在確認されていない
今月は仙台観測所が閉鎖されているため、東北沖の観測データは取得できていませんが、高島式地震予知では鈴谷観測点のほかに、富山県東部の観測所でも毎日観測を続けています。
富山県東部の観測所は、首都圏直下地震など太平洋プレートや内陸型地震に伴う広域的な変化を確認するための重要な観測点の一つです。
今回の観測期間では、この富山県東部の観測所で前兆波は確認されませんでした。
このことから、現時点では首都圏直下地震の発生を示唆するような広域的な前兆は観測されていません。
もちろん、これは「首都圏直下地震が起きない」と断定するものではありませんが、少なくとも今回の観測データからは、そのような兆候は確認されていないという結果になります。
一方、鈴谷観測点では関東周辺でM3~4クラスを示唆する前兆波が観測されており、現在の解析では局所的な地震活動を注意深く見守る段階と考えています。
台風と地震、どちらにも備える
この時期は、台風や大雨への備えが欠かせません。
しかし、地震は天候に関係なく発生します。
台風対策として準備した飲料水や非常食、モバイルバッテリー、携帯ラジオなどは、地震への備えとしてもそのまま活用できます。
避難場所や家族との連絡方法、家具の転倒防止についても、この機会に確認しておくと安心です。
今回の解析では、関東周辺でM3~4クラスの地震が発生する可能性が示されました。
もちろん、地震の発生を断定するものではありません。
根拠の示されていないSNS情報に振り回されるのではなく、公的機関の発表と実際の観測データの両方を参考にしながら、落ち着いて備えることが大切です。
今後も埼玉・鈴谷観測点の観測を継続し、予測期間内に発生した地震との対応関係を検証しながら、その結果を随時お伝えしていきます。
高島式地震予知に関するお問い合わせ先
info@liquiddesign.co.jp
技術提供、共同研究、実証実験、観測協力のご相談を受け付けています。
【関連リンク】
◎ 高島式地震予知の解説記事一覧
https://liquiddesign.co.jp/category/blog/earthquake/
◎ 無料メルマガ登録「的中率90%の地震予知をあなたのスマホに」
https://www.mag2.com/m/0001698630

