2026年6月は、東日本でM5以上の地震が相次いだ1か月となりました。

6月16日には茨城県南部でM5.5の地震が発生し、群馬県と埼玉県で最大震度5弱を観測しました。その後も6月24日には岩手県沖でM6.9(後にM7.2へ改訂)の地震、さらに6月26日には山梨県東部でM5.6の地震が発生し、関東から東北にかけて地震活動が活発な状態となりました。

私たちはこれまで、高島式地震予知技術を用いて、埼玉県南部の鈴谷観測点と仙台観測点で地震前兆波の観測を続け、その結果を定期的に公開してきました。

しかし、今回の地震活動を検証しようとしていた矢先、仙台観測点の閉鎖と鈴谷観測点の観測機器トラブルが重なり、最も重要な時期の観測データを十分に取得できないという事態が発生しました。

2026年6月東日本で相次いだM5以上の地震|リキッド・デザイン・システムズ

地震予知の検証では、観測できたデータだけでなく、観測できなかった期間も重要な情報になります。今回の6月の地震活動は、前兆波観測の可能性と同時に、継続観測の難しさも示す結果となりました。

6月に東日本で相次いだ3つのM5以上の地震

6月に東日本で発生した主なM5以上の地震は次の3件です。

・6月16日 茨城県南部 M5.5
・6月24日 岩手県沖 M6.9(後にM7.2へ改訂)
・6月26日 山梨県東部 M5.6

関東内陸、東北沖、中部地方東部と、それぞれ異なる地域で比較的大きな地震が続いたことになります。

これだけ短期間にM5以上の地震が続いたことから、6月は東日本全体で地震活動が比較的活発な1か月だったと言えるでしょう。

発生日震源地M深さ最大震度備考
6月16日茨城県南部5.5約50km5弱群馬県・埼玉県で震度5弱。フィリピン海プレートと陸側プレート境界で発生。
6月24日岩手県沖6.9(後に7.2へ改訂)約50km6強津波被害なし。東北新幹線が一時運転見合わせ。(Reuters)
6月26日山梨県東部5.6約20km6弱神奈川県を含む広い範囲で強い揺れ。土砂災害への警戒が呼びかけられた。(Japan Times)

茨城県南部M5.5地震では前兆波を観測していた

6月16日に発生した茨城県南部M5.5の地震については、鈴谷観測点で事前に前兆波を観測していました。

6月9日に観測された前兆波の解析では、

・発生予想日 6月16日±5日
・震源 鈴谷から150km以内
・規模 M4クラス
・鈴谷の揺れ 震度1程度

と推定していました。

実際に発生した地震は、

・発生日 6月16日
・震源 茨城県南部
・規模 M5.5

となり、発生時期と震源地域については観測結果と一定の対応が見られました。

一方で、揺れについては予想を上回りました。

解析では鈴谷周辺の揺れを震度1程度と見込んでいましたが、実際には埼玉県内で震度3~4程度、埼玉県北部では最大震度5弱を観測しました。

今回の結果から、前兆波によって地震発生の兆候を捉えられる可能性は示された一方で、規模や震度の推定については改善が必要であることも明らかになりました。

東北沖M6予測を十分に検証できなかった理由

一方で、私たちにとって最も残念だったのは、6月24日に発生した岩手県沖地震です。

前回の記事では、5月29日に仙台観測点で総持続時間521秒という非常に長い前兆波を観測し、東北沖でM6以上の地震が発生する可能性について紹介しました。

その後、実際に岩手県沖で大きな地震が発生しました。

しかし、この期間に仙台観測点は閉鎖となっていたため、その後の波形変化を継続して観測することができませんでした。

もし観測を継続できていれば、5月29日に観測された前兆波と岩手県沖地震との関係を、より詳しく検証できた可能性があります。研究を続ける立場として、この点は高島自身が非常に残念に感じております。

鈴谷観測点でも機器トラブルが発生

さらに、鈴谷観測点でも6月中旬に観測機器の故障が発生しました。

そのため、6月16日から23日までのデータが欠落し、岩手県沖地震や山梨県東部地震に対応する前兆波があったかどうかを確認できませんでした。

機器の修復後、6月24日には新たな前兆波を観測しています。観測日時は6月24日9時8分。

観測データは、持続時間80秒、周波数11.4Hz、10.1Hz、最大振幅42mVp-pでした。

観測データ|リキッド・デザイン・システムズ

この前兆波については、6月27日に発生した千葉県北西部M3.8、深さ70km、鈴谷観測点からの距離約44kmの地震に対応していた可能性があります。

地震速報|リキッド・デザイン・システムズ

今回改めて感じたのは、「観測できなかった期間」も研究にとって非常に重要だということです。観測が途切れると、本来検証できたはずの貴重なデータを失ってしまいます。

これまで積み重ねてきた検証

当社では、この1年半以上にわたり、今回を含めて合計78回の高島式地震予知に関する解析結果を継続して公開してきました。5月には鈴谷観測点で観測された前兆波と茨城県南部地震との関係を整理しました。

6月初旬には仙台観測点で総持続時間521秒という長時間前兆波を確認し、東北沖M6以上の可能性について紹介しました。

さらに、フィリピン地震と日本列島の地震活動との関係や、6月16日の茨城県南部M5.5地震についても検証記事を公開しています。

私たちは成功した事例だけを紹介するのではなく、予測との差や観測できなかった期間も含めて公開し、継続的に検証を行っています。これが、この活動で最も大切にしている考え方です。

観測を続けるための課題

地震前兆波の観測は、多くの方が想像される以上に地道な活動です。

観測には、測定機器だけでなく、設置場所、電源、通信環境、定期的なメンテナンスなど、多くの維持費が必要になります。

現在、高島式地震予知の観測は、高島氏が長年ほぼボランティアで続け、当社もできる範囲で情報発信や他の地震予知の検証を行っています。

しかし今回のように、観測所の閉鎖や機器の故障が重なると、研究にとって最も重要なデータを取得できなくなってしまいます。6月は、その厳しい現実を改めて実感した1か月でした。

地震予知を防災に役立てるために

地震予知は、現在の科学でも確立された技術ではありません。

だからこそ、一つひとつの観測結果と実際の地震を照らし合わせながら、地道に検証を続けることが欠かせません。

私たちが目指しているのは、「地震を言い当てること」ではなく、「少しでも防災に役立つ情報を積み重ねること」です。

観測点が増え、長期間のデータが蓄積されれば、より精度の高い解析につながる可能性があります。

そのためにも、観測を止めずに続けることが何より重要だと考えています。

地震予知活動へのご協力をお願いします

現在、高島式地震予知研究会と株式会社リキッド・デザイン・システムズでは、この活動を支えてくださる協力者を募集しています。

観測場所の提供、測定機器の設置や保守への協力、データ解析や情報発信など、ご協力いただける内容はさまざまです。

また、企業や自治体、研究機関の皆さまと共同研究や実証実験を進めることで、地震予知技術の可能性をさらに検証していきたいと考えています。

地震予知は、一朝一夕で完成する技術ではありません。

観測を続け、データを積み重ね、検証を繰り返すことで、初めて防災に役立つ技術へと近づいていきます。

この活動に共感していただける方がいらっしゃいましたら、ぜひ力を貸していただければ幸いです。

高島式地震予知に関するお問い合わせ先
info@liquiddesign.co.jp

技術提供、共同研究、実証実験、観測協力のご相談を受け付けています。

【関連リンク】

◎ 高島式地震予知の解説記事一覧
https://liquiddesign.co.jp/category/blog/earthquake/

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