6月8日、フィリピン南部ミンダナオ島沖でM8.8の大地震が発生しました。現地では建物被害や津波警報も報じられており、フィリピン周辺が非常に活発な地震帯にあることを改めて感じさせる出来事でした。
大きな海外地震が起きると、「日本でも大地震が続くのではないか」と不安になる方も多いと思います。
結論から言えば、今回のフィリピン地震が、そのまま日本列島の地震を引き起こすと断定することはできません。
ただし、フィリピンも日本列島も、太平洋を囲む地震活動の活発な地域にあります。特に日本列島の西側ではフィリピン海プレートの影響を受けており、地震科学の視点では、フィリピン周辺と日本周辺をまったく無関係な地域として見ることもできません。
前回の記事では、仙台観測点で総持続時間521秒という非常に長い前兆波が観測され、東北沖周辺でM6以上の地震が発生する可能性についてお伝えしました。
今回はその続報です。
6月1日から8日までの観測結果を確認したところ、仙台観測点では前回予測に関連すると見られる動きに加え、新たな長時間前兆波も観測されました。

前回の東北沖M6予測はどうなったのか
前回注目したのは、5月29日に仙台観測点で観測された総持続時間521秒の前兆波です。
高島式地震予知技術の解析では、
・発生予想日:6月5日±5日
・震源地:仙台から150km以遠
・規模:M6以上
と推定していました。
現時点では、この予測に完全に対応すると断定できるM6以上の地震は確認されていません。
ただし、今回の観測期間中に、5月29日の波形と似た特徴を持つ新たな前兆波が仙台観測点で確認されています。
そのため、前回の予測を終了と見るのではなく、東北沖周辺の地震活動については引き続き経過を見ていく必要があります。
仙台観測点で福島県沖M4.3に対応した可能性
まず注目したいのは、6月1日15時53分に仙台観測点で観測された前兆波です。
観測データは以下の通りです。
・総持続時間:115秒
・周波数:12.4Hz、10.7Hz
・最大振幅:23mVp-p

この前兆波については、
・発生予想日:6月8日±5日
・震源地:仙台から150km以内
・規模:M4クラス
・仙台の揺れ:震度1程度
と推定されていました。
その後、6月9日に福島県沖でM4.3の地震が発生しています。
発生日、規模、仙台からの距離を考えると、この地震は6月1日に観測された前兆波に対応していた可能性があります。

もちろん、1つの事例だけで技術全体を評価することはできません。
しかし、前兆波の観測後に予測期間内で近い規模の地震が発生したことは、今回の解析を検証するうえで重要な材料になります。
仙台観測点で再び224秒の長時間前兆波
今回、最も注意したいのは6月5日に仙台観測点で観測された前兆波です。
観測日時は6月5日午前7時52分。
観測データは以下の通りです。
・総持続時間:224秒
・周波数:10.0Hz
・最大振幅:11mVp-p

高島式地震予知の解析では、
・発生予想日:6月13日±5日
・震源地:仙台から150km以内
・規模:M5クラス
・仙台の揺れ:震度3程度
と推定されています。
224秒という持続時間は、一般的なM3〜4クラスの前兆波と比べると長めです。
さらに今回の資料では、この6月5日の波形について、5月29日に観測された521秒の前兆波と類似しているとの記載があります。
つまり、前回のM6以上予測とまったく別の現象として切り離すよりも、東北沖周辺で続いている地殻活動の一部として慎重に見ていく必要があります。
現時点で「M6以上が必ず起きる」とは言えません。
ただ、仙台観測点で長時間の前兆波が続けて観測されている点は、防災上見逃しにくい動きです。
鈴谷観測点ではM4クラスを示す前兆波
一方、埼玉県南部の鈴谷観測点でも、6月2日18時33分に前兆波が観測されました。
観測データは以下の通りです。
・持続時間:84秒
・周波数:13.4Hz、9.9Hz
・最大振幅:24mVp-p

高島式地震予知の解析では、
・発生予想日:6月9日±5日
・震源地:鈴谷から150km以内
・規模:M4クラス
・鈴谷の揺れ:震度1未満
と推定されています。
前回の記事で取り上げた鈴谷観測点の136秒前兆波に比べると、今回の84秒はやや短いものの、関東圏でも地震活動を継続して見る必要がある状況です。
東北沖で比較的大きな地震が発生した場合、震源の位置や規模によっては関東地方でも揺れを感じる可能性があります。
その意味でも、東北地方だけでなく関東地方でも、今後の地震情報には注意しておきたいところです。
フィリピン地震と日本列島の関係をどう見るべきか
今回のフィリピン大地震と、日本列島の地震活動を短絡的に結びつけることはできません。
地震は、震源周辺の断層やプレート境界に蓄積されたひずみが限界に達したときに発生します。
そのため、フィリピンで大きな地震が起きたからといって、すぐに日本で大地震が起きるわけではありません。
一方で、フィリピン周辺も日本列島も、プレートが沈み込む地震帯に位置しています。
日本では太平洋プレートやフィリピン海プレートの沈み込みによって、東北沖、南海トラフ、関東周辺などで大地震が繰り返し発生してきました。
今回のフィリピン地震は、日本列島の地震を直接示すものではありません。
しかし、広い意味で「プレート境界で大きな地震が起きやすい時期や地域がある」という視点を持つきっかけにはなります。
だからこそ、海外の大地震を単なる遠い出来事として見るのではなく、日本周辺の観測データとあわせて、防災を見直す材料にすることが大切です。
今回の解析で注意したいポイント
今回の解析で特に注意したい点は2つあります。
1つ目は、6月1日に仙台観測点で観測された115秒の前兆波が、6月9日の福島県沖M4.3地震に対応していた可能性があることです。
2つ目は、6月5日に仙台観測点で再び224秒の長時間前兆波が観測されたことです。
前回の521秒前兆波ほど長くはありませんが、通常より長い波形であり、しかも5月29日の波形と似ているとされています。
このため、前回の記事でお伝えした「東北沖周辺の地震活動には注意が必要」という見方に大きな変更はありません。
ただし、地震発生を断定するものではありません。
前兆波が観測されたからといって、必ず大きな地震が起きるわけではなく、震源や規模を正確に特定できる段階でもありません。
それでも、仙台観測点で長時間前兆波が複数回観測されていることは、防災上の参考情報として把握しておく価値があります。
防災のために今できること
今回の記事で伝えたいのは、不安をあおることではありません。
大切なのは、観測データをきっかけに備えを確認することです。
東北地方や関東地方にお住まいの方は、次のような基本的な対策を見直しておくと安心です。
・飲料水や非常食の確認
・モバイルバッテリーの充電
・避難場所の確認
・家族との連絡手段の確認
・家具の転倒防止
・夜間に避難する場合のライトや靴の準備
地震はいつ起きるか分かりません。
だからこそ、何も起きていない今のうちに、できる備えを整えておくことが重要です。
今後も仙台観測点と鈴谷観測点の解析を継続し、新たな前兆波が観測された場合は続報としてお伝えします。
地震予測とビジネス活用について
株式会社リキッド・デザイン・システムズでは、空気動圧センサー技術を活用し、地震前兆観測、建物内の微振動解析、環境変動のモニタリングなどに取り組んでいます。
地震予測は、今後も継続的な検証が必要な分野です。
一方で、センサー技術とデータ解析を組み合わせることで、防災、建物管理、BCP対策、地域安全などへの応用が期待できます。
高島式地震予知に関するお問い合わせ先
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技術提供・共同研究・実証実験のご相談を受け付けています。
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