GW中は高島式地震予知システムのメンテナンスを行っていた関係で、今回の地震予知配信が遅れました。
定例の解析記事をお待ちいただいていた方には、ご不便をおかけしました。

今回は、2026年5月3日から5月13日までに、埼玉県南部の鈴谷観測点で観測された前兆波と、その後に実際に発生した地震との関係を整理します。

地震予知というテーマは、どうしても専門的で難しく感じられます。
しかし、考え方そのものは、身近な例に置き換えると理解しやすくなります。

たとえば、コップに少しずつ水を注いでいく場面を想像してください。
最初は何も起きません。
しかし、水が限界に近づくと、表面がゆらぎ、少しの振動でもこぼれそうになります。

地震もこれに似ています。
地下の岩盤に長い時間をかけて力がたまり、限界に近づくと、実際に大きく動く前に、微弱な変化が現れる可能性があります。
高島式地震予知では、この地震発生前の微弱な信号を「破壊核形成信号」として観測し、地震発生の可能性を推定しています。

高島式地震予知とは何を見ているのか

高島式地震予知は、地震が起きる前に地中で発生するとされる微弱な変化を観測する技術です。

添付の地震推定技術説明資料では、この技術は日本国内で特許取得済みの地震推定技術であり、観測部屋の共振周波数を使って、地面から部屋に伝わる微振動を1000倍以上に増強して観察する方法と説明されています。

これも、たとえ話で考えると分かりやすくなります。

ギターやバイオリンは、弦だけでは大きな音になりません。
弦の小さな振動が楽器の胴体に伝わり、共鳴することで音が大きく響きます。

高島式地震予知も、これに近い考え方です。
地面から伝わる非常に小さな振動を、観測環境の共振を利用して見やすくすることで、通常では捉えにくい変化を観測しようとしています。

資料では、地震推定には実際の地震直前に形成される破壊核形成信号の検出が重要であり、M7クラスでは最低でも400km程度伝わるとされています。

また、観測点が実際の地震で震度1以上の揺れを受ける範囲にある場合、地震前の信号を検知できる可能性があると説明されています。

5年間で438例の地震推定成功例

今回の導入で特に注目したいのは、これまでの観測実績です。

添付資料の3ページ目に掲載されている地震推定成功例では、2021年以降、M3〜M7.6クラスの地震について、5年間で合計438例の推定成功例が示されています。

内訳は、埼玉県鈴谷の観測点で305例、宮城県大崎市古川および仙台市泉区の観測点で133例です。

この数字が意味するのは、高島式地震予知が単発の偶然だけで語られているのではなく、複数年にわたり、複数の観測点でデータを積み重ねているという点です。

もちろん、地震は自然現象であり、すべてを完全に予測できるわけではありません。
しかし、観測された前兆波と実際に発生した地震を照合し続けることで、どのような信号が、どの地域の、どの程度の地震と関係しやすいのかを検証できます。

地震予知は、天気予報のように「明日の午後に必ず雨が降る」と断定するものではありません。
むしろ、「雨雲が近づいているので傘を持った方がよい」という情報に近いものです。

つまり、地震予知の目的は、不安をあおることではなく、注意すべき時期や地域を知り、防災意識を高めることにあります。

5月3日〜13日の埼玉県南部・鈴谷の観測結果

今回、埼玉県南部の鈴谷観測点では、5月4日と5月11日に前兆波が観測されました。

1つ目は、5月4日14時44分に観測された前兆波です。
持続時間は15秒、周波数は21.0Hzおよび18.2Hz、最大振幅は20mVp-pでした。

この前兆波に対応する地震として、5月8日に茨城県南部でM4.2、深さ70kmの地震が発生しています。
鈴谷観測点から震源までの距離は67kmでした。

2つ目は、5月11日16時6分に観測された前兆波です。
持続時間は18秒、周波数は20.1Hzおよび18.2Hz、最大振幅は45mVp-pでした。

この前兆波に対応する地震として、5月12日に茨城県南部でM4.3、深さ50kmの地震が発生しています。
鈴谷観測点から震源までの距離は31kmでした。

今回のポイントは、5月4日と5月11日に観測された2つの前兆波が、いずれも茨城県南部のM4クラス地震と対応している点です。

特に、5月11日の前兆波については、翌日にM4.3の地震が発生しています。
観測から地震発生までの時間が短く、震源までの距離も31kmと近いため、対応関係を検証するうえで重要な事例といえます。

前兆波と地震の関係をどう考えるか

ここで重要なのは、「前兆波が出たから必ず大地震が来る」と単純に考えないことです。

前兆波は、地下で何らかの変化が起きている可能性を示す信号です。
しかし、その信号がどの場所で、どの規模の地震につながるのかは、観測点からの距離、周波数、持続時間、振幅、過去の事例などを総合して判断する必要があります。

たとえば、遠くで雷が鳴ったときのことを考えてみてください。
雷の音が聞こえたからといって、自分の真上で必ず雷雨になるとは限りません。
しかし、空が暗くなり、風が変わり、雷の音が近づいてくれば、傘を準備したり、屋外作業を控えたりする判断ができます。

地震前兆波の観測も、これに近いものです。
観測された信号をもとに、どの地域で注意すべきかを考えるための材料になります。

今回の鈴谷観測結果では、前兆波の観測後、比較的近い範囲でM4クラスの地震が複数発生しました。
そのため、観測結果と実際の地震との対応を検証するうえで、分かりやすい事例になっています。

前回予測との照合

過去2週間の地震予知結果として、4月28日20時31分にも小さな前兆波が1個観測されていました。
この前兆波は、持続時間31秒、周波数13.7Hzおよび12.0Hz、最大振幅23mVp-pでした。

この観測結果から、地震発生予想日は5月4日±5日、発生確率は80%、震源地は鈴谷より150km以内、規模はM3〜4程度とされていました。

その後、5月6日に神奈川県東部でM4.2、深さ100kmの地震が発生しました。
鈴谷観測点から震源までの距離は55kmで、鈴谷での揺れは震度1程度とされています。

この結果を見ると、前回の予測で示された「5月4日±5日」「鈴谷より150km以内」「M3〜4程度」という条件に対して、実際に発生した地震はかなり近い範囲に収まっています。

地震の規模はM4.2で、予測のM3〜4程度よりやや大きめですが、実際の地震予測では、この程度の差は検証対象として十分に近い範囲と考えられます。

5月7日の仙台観測結果について

鈴谷観測点とは別に、5月7日には仙台観測点でも前兆波が観測されています。

総持続時間は220秒、周波数は10.0Hz、最大振幅は13mVp-pでした。

ただし、この信号については現在解析中であり、現時点では地震予想は不可とされています。

ここは、読者に誤解されやすい部分です。
長い前兆波が出たからといって、すぐに大きな地震が来ると決めつけることはできません。

地震前兆波の解析では、「信号が出たかどうか」だけでなく、信号の長さ、周波数、振幅、観測点、過去の類似例などを合わせてこれから判断します。

今回の解析結果まとめ

今回の鈴谷観測点の解析では、5月4日と5月11日に前兆波が観測され、その後、茨城県南部でM4.2およびM4.3の地震が発生しました。

また、前回の4月28日の前兆波についても、5月6日に神奈川県東部M4.2の地震が発生しており、予測時期、震源距離、地震規模の面で一定の整合性が見られました。

整理すると、今回の主な対応関係は次の通りです。

前兆波観測日前兆波概要予想して実際に発生した地震
4月28日31秒、13.7Hz・12.0Hz、Max23mVp-p5月6日 神奈川県東部M4.2
5月4日15秒、21.0Hz・18.2Hz、Max20mVp-p5月8日 茨城県南部M4.2
5月11日18秒、20.1Hz・18.2Hz、Max45mVp-p5月12日 茨城県南部M4.3

今回の結果は、鈴谷観測点で観測された前兆波が、関東周辺のM4クラス地震と対応していた可能性を示すものです。

特に、短期間のうちに複数の前兆波が観測され、その後に近距離で複数の地震が発生した点は、今後の解析精度を高めるうえで重要なデータになります。

地震予知を防災にどう活かすか

地震予知という言葉を聞くと、「いつ、どこで、何時何分に地震が起きるのか」を正確に当てるものだと思われがちです。
しかし、現実の地震予測はそこまで単純ではありません。

重要なのは、地震の可能性が高まっている時期や地域を把握し、日常の防災行動につなげることです。

たとえば、前兆波の観測が続いている時期には、次のような確認をしておくことが大切です。

家具の固定ができているか。
寝室に倒れやすいものがないか。
スマートフォンの充電やモバイルバッテリーは十分か。
家族との連絡方法を決めているか。
自宅や職場の避難経路を確認しているか。

こうした備えは、特別なことではありません。
しかし、普段はつい後回しになりがちです。

地震前兆波の解析情報は、こうした防災行動を思い出すきっかけとして活用できます。
「不安になるための情報」ではなく、「備えを見直すための情報」として捉えることが重要です。

地震予測とビジネス活用について

株式会社リキッド・デザイン・システムズでは、空気動圧センサー技術を活用し、地震前兆観測、建物内の微振動解析、環境変動のモニタリングなどに取り組んでいます。

地震予測は、まだ社会実装に向けて検証を重ねる必要がある分野です。
一方で、センサー技術とデータ解析を組み合わせることで、防災、建物管理、BCP対策、地域安全などへの応用が期待できます。

今後も、鈴谷、仙台、古川などの観測点で得られるデータを継続的に解析し、実際に発生した地震との照合を重ねながら、地震前兆観測技術の精度向上に取り組んでいきます。

地震は止めることができません。
しかし、観測し、分析し、備えることはできます。

今回の解析結果も、地震を恐れるためではなく、日頃の防災意識を高めるための一つの材料として活用していただければと思います。

高島式地震予知に関するお問い合わせ先
info@liquiddesign.co.jp
技術提供・共同研究・実証実験のご相談を受け付けています。

【関連リンク】

◎ 高島式地震予知の解説記事一覧
https://liquiddesign.co.jp/category/blog/earthquake/

◎ 無料メルマガ登録「的中率90%の地震予知をあなたのスマホに」
https://www.mag2.com/m/0001698630