フィリピン海プレートの緊張が続く中での観測結果
2025年10月中旬、日本列島周辺ではプレート活動が活発化しています。特にフィリピン海プレートの沈み込み域では9月以降に複数の中規模地震が発生し、関東・東海地域を中心に地殻内の応力変化が継続的に観測されています。
こうした状況の中、10月17日には仙台と埼玉県南部・鈴谷の観測点で「前兆波」とみられる特徴的な波形が確認されました。地震推定技術では、地面から建物へ伝わる微細な振動(破壊核形成信号)を1000倍以上に増幅して観測します。これはアコースティック楽器の共鳴原理を応用した高島式地震予知技術(特許第6995381号)で、肉眼では捉えられない地殻の変化を波形として可視化できる点に特徴があります。

仙台観測データ ― 初の1階設置で明瞭な信号を捉える
仙台の観測装置は今回、従来の2階から1階に設置場所を変更しており、これが初の1階観測データとなります。
10月17日14時21分、持続時間58秒、主要周波数12.6Hzおよび9.4Hz、最大振幅26mVp-pの波形を検出しました。解析の結果、これは地殻内での微小な破壊核形成を示す信号と判断されました。
【仙台観測点】
日時:10月17日 14時21分
持続時間:58秒
周波数:12.6Hz/9.4Hz
最大振幅:26mVp-p
予想:10月25日±5日/発生確率80%
規模:M3〜4(震度1未満)

このデータから推定される地震発生予想日は「10月25日±5日」、発生確率は約80%。震源は仙台から150km以内、規模はマグニチュード3〜4程度、仙台市内の体感は震度1未満と予測されます。前兆波としては比較的穏やかな部類に属しますが、地下の応力状態に変化が生じている兆候といえます。
鈴谷観測点 ― 仙台と同時刻帯に共鳴し、地殻応力の伝播を示唆する前兆波
続いて、埼玉県南部・鈴谷観測点でも同日15時44分に特異な波形が記録されました。持続時間45秒、主要周波数12.0Hzおよび10.3Hz、最大振幅42mVp-pという結果で、仙台の波形と近似する周波数帯を示しました。
【埼玉県南部・鈴谷観測点】
日時:10月17日 15時44分
持続時間:45秒
周波数:12.0Hz/10.3Hz
最大振幅:42mVp-p
予想:10月25日±5日/発生確率80%
規模:M3〜4(震度1程度)

鈴谷での地震発生予想日も仙台と同じく「10月25日±5日」、発生確率80%。震源は鈴谷から150km以内、予想規模M3〜4、想定震度は1程度と見られます。10月中下旬にかけて、東北南部から関東北部を中心に微小地震が発生する可能性が高まっています。
今後注視すべきアウターライズ地震の動向
仙台で検出された信号は、太平洋プレートの応力変化に関連していると考えられます。このプレートは仙台湾沖約350kmの「沈み込み帯の外側領域(アウターライズ帯)」で地震を引き起こす可能性があり、将来的にM7級の地震を誘発するリスクがあります。
一方、関東南部で観測された信号は、フィリピン海プレートの活動圏に属しており、両者は別のプレート境界に起因するものと推定されます。高島理論(破壊核形成信号理論)では、プレート由来の地震は信号検出からおおむね45日以内に発震する傾向が報告されています。今回の同日検出は、複数のプレート境界で応力が同時に高まっている可能性を示唆しています。
科学的観測の積み重ねが防災を支える
今回観測された前兆波はいずれも低周波帯(10〜12Hz)に集中しています。これらの小さな兆候は単独では決定的な予知要素ではありませんが、連続観測により地殻変動の「流れ」を把握することが可能になります。特に関東沿岸では、プレートの境界応力が複雑に重なり合うため、局所的な地震活動を見逃さない継続観測が重要です。
地震予知の目的は恐怖をあおることではなく、地球の変化を正確に理解し、防災意識を高めることにあります。日常生活の中で「もしも」に備える行動――家具の固定、防災用品の点検、家族との連絡方法の共有など――を見直す機会として、このような科学的観測を活用していくことが求められます。
今後の展望
今後は仙台・鈴谷の両観測点で同様の信号が再び確認されるかが焦点となります。特に、アウターライズ領域での前兆波を高感度センサーで検知できれば、津波防災への貢献が期待されます。次回の観測報告では、今週の地震活動結果をもとに解析を更新する予定です。
【関連リンク】
◎ 高島式地震予知の解説記事一覧:https://liquiddesign.co.jp/category/blog/earthquake/
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