本記事は、2025年最後の地震予知に関する報告として、あらためて当社の技術顧問である高島がなぜ地震予知研究を始め、今も続けているのかという原点を振り返るところから始めたいと思います。
2011年3月11日。
東日本大震災は、日本の観測史に残る未曾有の災害となりました。
この出来事は多くの人の人生を変えましたが、高島充にとっても、研究者としての姿勢そのものを見つめ直すきっかけとなる出来事でした。
高島がその後に残した回顧や記録をたどると、地震予知研究に向き合う動機の核心には、ある一つの「後悔」があったことが分かります。
それは、地震発生の前に、通常とは明らかに異なる前兆波を観測していたにもかかわらず、その事実を社会に向けて伝えなかったことでした。

「測っていたのに、伝えなかった」という後悔
3.11以前、高島の観測装置は、平常時とは異なる波形を捉えていました。
周期、振幅、連続性。いずれも過去の記録と比べて異質な特徴を持ち、データとしては明確な変化が残されていました。
しかし当時、高島はその情報を公表する判断を下しませんでした。
予測が外れた場合の社会的混乱への懸念、研究者としての責任、そして「確証がない段階で発表すべきではない」という慎重さが、その判断を止めていました。
結果として、大震災は発生します。
後からデータを見返すと、あの前兆波は巨大地震と整合する特徴を持っていたと考えられます。
高島は後年、回顧の中で次のように記しています。
「測っていたのに、伝えなかった。そのことを、今でも考え続けています」
この言葉には、研究者としての自責と、「観測と社会の距離」を問い直す強い思いが込められています。
地震予知研究の原点は「測定と記録」にあった
高島が地震予知研究に取り組むようになった背景は、3.11だけではありません。
その根底には、ソニー時代から続けてきた脈診研究があります。
脈診研究において高島が向き合ってきたのは、熟練した医師の感覚そのものではなく、その背後で実際に起きている生理現象でした。
左右差、変動幅、リズムの乱れ。
診断や意味づけを急ぐのではなく、まずは現象を記録し、比較し、蓄積する。その姿勢が一貫していました。
地震予知研究も、この延長線上にあります。
前兆波や地電流、微細な地殻変動は、当初「説明のつかないノイズ」として扱われがちでしたが、高島はそれらを否定も肯定もせず、まずは測り続けることを選びました。
意味づけは後からでよい。
重要なのは、異常が「いつ」「どのような形で」現れるのかを、取りこぼさずに残すことでした。
3.11を境に変わった研究姿勢
3.11の経験は、高島の研究姿勢を大きく変えました。
それは、地震予知の精度が急激に向上した、という意味ではありません。
変わったのは、「研究成果をどう社会と共有するか」という考え方でした。
それ以降、高島は「当たるか外れるか」よりも、「観測された事実を継続的に公開する」ことを重視するようになります。
現在、MIラボで続けられている地震予知研究は、株式会社リキッド・デザイン・システムズのメルマガやブログを通じて、毎週定期的に発信されています。
それは予言ではなく、観測記録の共有です。
「分からないものを、分からないままにしない」
この姿勢は、脈診研究の時代から一貫して変わっていません。
2025年12月の地震予知解析について
ここからは、2025年12月に実施した地震予知解析の結果についてお知らせします。
観測期間と対象地点
- 観測期間:12月21日~30日
- 対象地点:
・埼玉県南部(鈴谷)
・仙台
仙台の解析結果(12/22~30)
この期間、仙台の観測点では前兆波は確認されませんでした。
平常時と大きく異なる波形変化は見られておらず、特筆すべき異常は検出されていません。
埼玉県南部(鈴谷)の解析結果(12/21~30)
一方、埼玉県南部・鈴谷の観測点では、12月23日に前兆波が1件観測されています。
- 観測日時:12月23日 10時46分
- 持続時間:21秒
- 周波数:20.4Hz、17.4Hz
- 最大振幅:32mVp-p

その後、
12月29日 埼玉県南部 M3.5 深さ90km
の地震が発生しており、今回観測された前兆波は、この地震に対応するものであった可能性が高いと考えています。

おわりに
2025年も、地震予知をはじめ、健康、未病、見守りといったテーマの記事をお読みいただき、ありがとうございました。
日々の観測結果や技術的な試みを通じて、少しでも皆さまの判断材料や気づきにつながっていれば幸いです。
来年も引き続き、観測と記録を積み重ねながら、情報発信を続けていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
なお、2026年のお正月記事として、「脈診を科学する 五行ドクター開発の系譜」を3部作で公開する予定です。
五行アルゴリズムを発明した高島が、ソニー創業者・井深大との出会いを起点に、脈診という東洋医学の領域にどのように向き合ってきたのか。
さらに、高名な韓国の漢方医・白熙洙(ペク・ヒス)医師を含む総勢10数名の医師・医療スタッフとともに、脈診を計測する技術の研究に取り組んだ経緯などを、技術史として紹介していきます。
来年も、研究の背景や考え方を含め、分かりやすくお伝えしていければと思います。
【関連リンク】
◎ 高島式地震予知の解説記事一覧:https://liquiddesign.co.jp/category/blog/earthquake/
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