前編では、日本の高齢者人口が3,619万人、高齢化率が29.4%に達し、100歳以上の高齢者も増加している現状を踏まえ、健康寿命を延ばすためには、日々のセルフチェックが重要であると整理しました。
後編では、その先にある社会課題として「医療費の増加」に焦点を当てます。
日本は長寿社会を実現してきましたが、平均寿命が延びる一方で、国民医療費も増え続けています。
このまま医療や介護への依存が高まれば、本人、家族、地域、国全体に大きな負担がかかります。

「日本の平均寿命と医療費の推移」では、平均寿命が大きく伸びてきた一方で、国民医療費も急激に増加していることが示されています。長寿化そのものは社会の成果ですが、医療や介護への依存が増えれば、本人、家族、地域、国全体に大きな負担がかかります。

つまり、日本の高齢化社会で問われているのは、単に「長く生きられる社会」を維持することではありません。

「医療や介護に過度に依存せず、健康に自立して暮らせる期間をどう延ばすか」です。

平均寿命が延びるほど、医療費も増えている

日本では、医療技術の進歩、衛生環境の改善、栄養状態の向上などによって、平均寿命が大きく伸びてきました。

これは非常に大きな社会的成果です。

しかし、その一方で、長寿化に伴って医療費も増え続けています。

高齢になるほど、生活習慣病、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、認知症、フレイル、運動機能の低下など、複数の健康課題を抱えやすくなります。

実際に、年齢別の国民一人当たりの医療費を見ると、年齢が上がるほど医療費は大きく増加しています。特に高齢者の医療費は現役世代の約5倍とされており、長寿化が進むほど、医療・介護費の負担が社会全体に重くのしかかる構造が見えてきます。

その結果、通院、投薬、検査、入院、介護サービスの利用が増えます。

「医療費の45%が70歳以上の高齢者に使われている」という厚生労働省の発表があります。一方で、「高齢者でも8割は自活できている」という重要な視点も説明されています。

ここに、医療費削減の大きなヒントがあります。

すべての高齢者が、すぐに重い医療や介護を必要としているわけではありません。

多くの高齢者は、まだ自分で生活できています。

だからこそ、社会全体として取り組むべきことは、病気になってから医療で支えることだけではありません。

自活できる高齢者をできるだけ長く増やすことです。

高齢者が健康に自立して生活できる期間が長くなれば、本人の生活の質は向上します。

家族の介護負担も減ります。

医療・介護にかかる社会保障費の増加を抑えることにもつながります。

なぜ日本は医療費が増え続ける構造になったのか

日本の医療費が増え続けている背景には、いくつかの構造的な要因があります。

まず、高齢者人口そのものが増えています。

団塊世代の高齢化が進み、医療や介護を必要とする人の絶対数が増えています。

次に、平均寿命が延びたことで、慢性的な病気と付き合いながら長く生活する人が増えています。

高血圧、糖尿病、脂質異常、心臓病、脳血管疾患、認知症、足腰の衰えなどは、ある日突然ではなく、長年の生活習慣や体調変化の積み重ねで進行することが少なくありません。

しかし、現在の健康管理は、まだ「体調が悪くなってから病院へ行く」「健診で異常が出てから対策する」という事後対応型が中心です。

この仕組みでは、病気の兆候が小さいうちに気づくことが難しくなります。

添付資料でも、今後このまま推移すれば、年金、医療、介護などにかかる社会保障費の負担が増え続け、社会福祉制度の持続性が大きな課題になると指摘されています。

さらに、資料では「平均寿命が世界1位でも、重病や身体障害で寝たきりの生活では人生は楽しくない」という視点が示されています。

これは、医療費の問題だけではありません。

本人の人生の質の問題です。

高齢者が望むのは、単に長く生きることではなく、できるだけ最後まで自分の力で生活し、明るく、楽しく、幸せを感じながら暮らすことです。

いわゆる高齢者の生活の理想としてあげられる「PPK:ぴんぴんころり」という言葉にも、その思いが表れています。

そのためには、医療に頼る前の段階で、日々の体調変化に気づき、生活習慣を見直す仕組みが必要になります。

これからは「個人の予防」から、「地域ぐるみ」の予防へ

これからの高齢化社会では、医療の役割がなくなるわけではありません。
むしろ、本当に医療が必要な人へ適切につなげる仕組みは、ますます重要になります。
しかし、医療だけで高齢化社会のすべてを支えることは困難です。

重要なのは、病気になってから対応する「治療中心」の考え方に加えて、日常の中で体調変化に気づき、生活習慣を見直す「予防中心」の考え方を社会全体に広げることです。

高血圧、ストレス、運動不足、飲酒、喫煙、睡眠不足、食生活の乱れ。
これらは多くの場合、日常生活の中で少しずつ積み重なります。
だからこそ、本人が自分の変化に気づくだけでなく、家族、地域、企業、介護施設が早期に支援できる仕組みが必要です。

その入口となるのが血圧測定です。
血圧計は多くの家庭や施設にすでに普及しており、高齢者にもなじみがあります。
しかし、血圧測定が単なる数字の記録で終わってしまえば、行動変容にはつながりません。

血圧や脈拍をもとに、今の健康状態、ストレス傾向、生活習慣を見直す必要性に気づく。
そして、その気づきを地域や施設の早期支援につなげる。
血圧測定を「病院に行くための数値」から、「地域ぐるみの予防とセルフメディケーションの入口」へ変えることが重要です。

五行ドクターとMe-Naviで、個人の健康管理を地域の仕組みに変える

この課題に対する一つのソリューションが、五行ドクターとMe-Naviです。

五行ドクターは、市販の血圧計で測定した血圧と脈拍を入力することで、健康得点、ストレス度、未病傾向、体調バランスなどを表示する無料の健康セルフチェックアプリです。

個人は、自分の健康状態を日々確認できます。

体調の変化に気づき、食事や運動などの生活習慣を見直すきっかけを得られます。

ここまでは、個人のセルフケアです。

しかし、医療費削減や介護予防を社会レベルで進めるには、個人任せだけでは不十分です。

そこで必要になるのが、健康クラウドMe-Naviです。

Me-Naviは、五行ドクターで得られた健康データを、企業、介護施設、高齢者施設、自治体、地域団体などで集計・分析するための健康管理クラウドです。

たとえば、自治体で導入すれば、地域や地区ごとの健康得点、ストレス度、高血圧傾向を可視化できます。

どの地区で高血圧傾向が強いのか。

どの地域でストレス度が高いのか。

どの層に生活習慣改善の支援が必要なのか。

こうした情報を把握できれば、自治体や地域包括支援センター、介護施設などが、重点的に支援すべき地区や対象者を見つけやすくなります。

その結果、早期の声かけ、健康教室、食事・運動指導、介護予防活動につなげることができます。

これは、医療機関に行く回数を単純に減らすという意味ではありません。

本当に医療が必要な人は、適切に医療へつなげる。

一方で、日常的な不安や軽い不調については、普段の健康状態を把握し、生活習慣を見直すことで、不要な受診や重症化を減らす。

この仕組みを地域に広げることが、医療費削減につながります。

-高齢者が自分の健康状態を知る。

-地域が健康傾向を把握する。

-支援者が早期に声をかける。

-生活習慣を改善する。

-その結果、病気の重症化や要介護化を防ぐ。

この流れこそ、これからの高齢化社会に必要な予防型の健康管理です。

五行ドクターとMe-Naviは、個人のセルフチェックを、地域全体の健康長寿支援へ広げる仕組みです。
五行ドクターで一人ひとりが日々の体調変化に気づき、Me-Naviで地域や施設が健康傾向を把握する。
この二つを組み合わせることで、健康管理は「個人任せ」から「地域で支える仕組み」へ変わります。

平均寿命が延び、医療費も増え続ける日本において、必要なのは、病気になってから支える仕組みだけではありません。
日々の健康状態を見える化し、必要な人に早く声をかけ、生活習慣の改善や医療相談につなげる仕組みです。
五行ドクターとMe-Naviは、治療中心から予防中心へ、そして個人中心から地域ぐるみの健康管理へ転換するための、現実的な社会実装モデルです。

関連URL

月額500円からの健康クラウドMe-Navi公式サイト
https://liquiddesign.co.jp/technology-line/me-navi/

個人向け 五行ドクター無料健康チェック&記録アプリ
https://gogyou-doctor-prod.web.app/

【お問い合わせ】

株式会社リキッド・デザイン・システムズ Me-Navi営業部

Email: info@liquiddesign.co.jp

五行ドクターは、突然生まれたアプリではありません。
ソニー脈診研究所の研究を起点に、ソニー創業者 井深大、韓国の医師 白熙洙、そして五行アルゴリズムの発明者 高島充らの研究が、約35年かけて現在の仕組みへと発展してきました。
東洋医学の脈診を「測定と演算」で解析するという研究の流れをまとめた記事はこちらです。
脈診を科学する 五行ドクター開発の系譜
https://liquiddesign.co.jp/technology-line/gogyo-doctor/genealogy/

五行ドクターの背景にある技術や研究の歴史を知りたい方は、ぜひあわせてご覧ください。